作品の評価と認知的不協和

矛盾する認知を同時に抱えたときに人は不快感を覚える。これを認知的不協和という。人はこれを解消するために自身の態度や行動を変えると考えられている。

作品を評価する際に以下の矛盾する認知によって不快感を覚える。
・人気(売れている)作品は面白いという考え方
・作品の内容がつまらないという自身の評価
要するに人気の作品をつまらないと思った時に認知的不協和を感じる。

この矛盾を解消するために度々見かけるのがステルスマーケティングだと認定する行為だ。ステマによって作品が人気であるように演出されており、内容がつまらなくても売れている。そのように考えることで認知的不協和を解消しているのである。

ワンピースや鬼滅の刃などがステマであると認定されているのを見かけるが、根拠に乏しいものがほとんどである。認知的不協和の解消のためにステマ認定していると考えるのが妥当だろう。

ワニの件について

100日後に死ぬワニがステマだとして話題になった。作品の内容そのものより、毎日投稿される話をみんなで追いかける面白さがあったように思う。途中から話題をきっかけにして読んだ人にとって、そこまで面白いと思えなかったのではないか。つまり人気だったこの作品をつまらないと感じる人が多かった。多くの読者が認知的不協和を感じていた状況でグッズ展開やコラボなどの情報が与えられた。その情報は認知的不協和の解消にはとても相性が良かった。

ワニと似たようなケースがある。けものフレンズというアニメ作品が3ヶ月かけて評価されたことがあった。当時のけもフレは関連するアプリが終了し、書籍やCDなどの生産数が少なかったために売り切れており、グッズもほとんど無かった。にも関わらずステマであるという批判はファンが一生懸命反論するぐらいには多かった。ワニとほとんど真逆の状況でもステマ認定される。

長々と書いてみたが要するに人気作品をつまらないと思う人が多いとステマ認定されやすく、商業展開の如何によってその批判の程度が変わるのだと思う。

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