ラム肉の匂い
私が子供だった頃、とあるテレビ番組がジンギスカンを笑いのために丸焦げにしていたのを見て衝撃を受けたことがある。北海道で育った私にとってジンギスカンは御馳走であり、テレビの中で起こっていることが理解できなかった。
どうやら小さいころから食べていない人にとって草食動物の肉は臭く感じるらしい。葉緑素が体の中でフィトールというにおいの元の物質になる。そのため牧草飼育の牛も同様のにおいを出す。ラム肉を臭く感じる人がそのにおいを肉の品質のせいにするのをよく見かけるが誤りである。草食動物特有の匂いだ。
幼少時代の食生活によって食べ物の好みは変わる。食文化が近い日本国内においても差異があるのだから国が違えば味覚は異なるだろう。さらに人種によっては唾液の分泌量が違う。日本人は唾液の分泌量が少ない。そのため日本の米は水分量が多くて外国人にとってはべちゃべちゃして好まれない。逆に外国のパンは日本のものと比べてパサパサしている。
元は外国の料理であっても日本人にとっては日本人が日本人のために作る料理が一番おいしい。地元の料理はさらにおいしく感じ、おふくろの味は特別なのだろう。
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