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『商品』の解像度を上げてみた

こんにちは!「教育界の粗品」こと、ゆうとすです。

子どもに伝えたいお金の話を毎日更新しています。

本日は、商品の分解をテーマに「歴史」と紐づけてお話しします。

1 商品の解像度を3つに上げると、どうなるの?

商品の解像度を上げる、つまり分解すると、「生産手段」、「生産が行われる場所」、「労働者」に分けることができます。

(1)生産手段(資本財)

「生産手段」とは、インフラのことで、原材料とそれを加工する道具や機械、それらを保管する建物のことです。

生産手段は、奴隷自身がつくったり、同じ領地の職人がつくったりしていました。

職人がつくった道具と奴隷がつくった食べモノを交換することもありました。

お互いが自然に助け合う、家族のような食卓のような感じだったそうです。

#意外な事実

(2)生産が行われる場所

「生産が行われる場所」とは、「土地」や「空間」のことで、農場、鉱山、工場、作業場、事務所のことです。

領主は先祖代々の土地を売ることなど考えもしなかったそうで、大むかしでは、土地を売るなど許されないことだと考えられていたそうです。

領主でなければ奴隷か小作人であり、奴隷か小作人は一生地主になれなかったそうです。

(3)労働者

ご先祖さまは、おそらく現代よりも必死に働いていました。きつい仕事が多く、求人情報など存在もしてなくて、労働市場なども想像できなかったそうです。

封建領主に奴隷が仕えていた時代では、奴隷たちは汗水たらして働いていましたが、主人に自分の労働力を売る(はたは貸す)ことなど考えもしなかったそうです。

主人は収穫の大部分を当たり前のように独り占めし、労働者を暴力などでいいなりにすることも少なかったそうです。

#こわい時代ですね。

市場社会では、「生産活動」のほとんどが市場を通して行われるようになったときにはじまったらしく、生産の3要素である「生産手段」、「生産が行われる場所」、「労働者」は商品となって、交換価値を持つようになったのです。

その「交換価値」は突然できたのではなく、歴史をみていくと・・・

2 貿易

市場社会が変わりはじめたきっかけは、

ヨーロッパで造船が発達して、中国で発明された羅針盤が使われるようになって、航海手段がアップデートされたことだそうです。

ヨーロッパ(イギリス、オランダなど)の商人は、「羊毛」を船にのせ、中国で「絹」と交換し、「絹」を日本で「刀」と交換し、インドで「刀」を「香辛料」に換えてイギリスに戻ります。

するとその「香辛料」が、最初に船にのせた「羊毛」の何倍もの「羊毛」が手に入りました。商人はひたすらこれを繰り返していました。

こうして、羊毛、絹、刀、香辛料は国際的な価値をもつようになり、貿易で取り扱われるものの交換価値は、国際的な需給で決まりました。

おもしろくないのは、羊毛を提供していたイギリスの領主たちで、とんでもないことを考えたそうです。

3 囲い込み

憤慨したイギリスの領主たちは、

数百年にわたって代々おなじ土地に暮らし、同じ領主たちに仕えていた農奴たちを追い出しました

もし、あなたが、追い出された農奴の立場だったらどうしますか?

住む家もなく、田園の道に放り出されてしまいました。

当時はスマホなども何もない時代でした。

「なんでもしますから、食べモノと寝る場所をお借り出来ませんか?」と頼みこむのではないでしょうか。

これが、労働市場のはじまりと言われていて、

土地も道具も持たないヒトは、「労働力」を売って、生きていくしかありませんでした。

苦役を「商品化」するということです。

生まれたばかりの労働市場は悲惨で、うまく機能するまで時間がかかったそうで、ものすごい数の農奴が労働力を「売り出して」いたのに対して、買い手はほとんどいなかったそうです。

そのため、飢餓や疫病をはじめ、貧困がイギリス中にひろがったそうです。

その数十年後にようやく「工場」ができて、労働力への需要が高まりました。

土地も労働力と同じようなことが起きて、

農奴を追い出して、羊を買い始めた「領主」は、じぶんたちで羊毛を生産するようになりました。そのあと、自分たちで生産する代わりに、誰かに土地を貸し出して、その土地にできる羊毛の価値によって賃料を決めればいいことに気がつきました。

どういうことかというと、

その土地に茂る牧草が多いほど、たくさんの羊たちを飼うことができて、羊毛の生産量も増え、1面積あたりの賃料もあがる寸法です。

羊毛が国際的な価値をもったことで、イギリスの田園も国際的な価値をもつようになったわけです。

「囲い込み」つまり、農民を追い出して羊と入れ替えるだけで、それが可能になりました。

はい、いかがでしょうか。

本日は、商品の分解をテーマに「歴史」と紐づけてお話しました。

最後まで読んでいただいてありがとうございました!


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