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世界一簡単な6000m登山?ボリビア・ワイナポトシ登山に挑戦して、己の異常性を再確認。

自転車で世界一周中、ゆーせいです!現在ペルーにきています!
先日チャレンジしてきた2泊3日ボリビア、ワイナポトシ登山のレポートです。初めての本格的な登山だったので文章でも記録に残して、読んでいる皆様の参考になれば幸いです。この記事の前半は情報ベース、後半は自分の感想ベースに書かれています!

利用したツアー会社「southtreks」

https://maps.app.goo.gl/BTmkruriWp2obziz8
ラパスのツアー会社通りを5件以上回って最も利用料が安かったのと、グーグルマップでの口コミも良かったのでここにしました。結果的にここを選んだのは大成功でした。

メリット①安い

相場が1000ボリ〜のところ、ここは800〜900ボリでいけます。自分は850ボリビアーノでしたが、他の参加者は800もいれば900もいました。しかも、ここは寝袋や大きなバックパックなどのレンタルで別料金を取られることもなかったので、込み込み値段です。ただし送迎はありません。装備や食事について、他のツアー会社さんと比較することができないので、それが安さにでているのかもしれません。私は気になりませんでした。もし確認したい方はぜひおyoutube動画の方でご確認ください。

メリット②英語ガイドあり

かなりカタコトですが、自分も言うほど英語は喋れません。世間話をたくさんすることは難しいかもしれませんが、登山に必要なコミュニケーションは問題なく取れたので英語ガイドが欲しい方にはおすすめです。ガイド全員が喋れるわけではないので、スペイン語話者が少ない場合やツアー参加者が多い時などに、毎回英語ガイドを確保できるかは保証はできません笑。しっかり予約の時に念押しをおすすめします。

メリット③最終アタック時に山頂に近いところから始められる

最終アタック時にスタート地点となるハイキャンプの場所はツアー会社ごとに異なります。ハイキャンプといっても雪の地帯に近くないところ標高にして100mほど下からのスタートだと、最終アタックのスタート時間も早い上に、雪上に着くまで雪上装備を持ち歩くことになり負担が増えます。その点サウストレックスの利用している山小屋は氷河が目の前にあるため、でてすぐのところで雪上装備に着替えてスタート、下山時も他のツアー会社より早く山小屋について休憩することができます。

実際の行程

初日

8時半集合〜レンタル装備の確認、サイズ合わせ
11時〜出発、ベースキャンプ山小屋(約4750m)へ
12時〜昼食
13時〜雪上訓練(アイゼンやピッケルの使い方を教わります)
16時〜ベースキャンプ帰宅
19時〜夕食、自由時間(各自好きな時間に就寝)

二日目

8時〜朝食、装備のパッキング、自由時間
11時〜昼食
13時〜ハイキャンプ山小屋(約5250m)へ移動
17時〜夕食
18時〜就寝

最終日

24時(0時)〜起床、登山準備
0時半〜軽食、引き続き登山準備
1時半〜出発、
6時〜登頂、日の出待ち
6時半〜下山開始
8時半〜ハイキャンプ到着、休憩
9時半〜ハイキャンプ山小屋からベースキャンプ山小屋へ移動
10時半〜休憩
13時〜ラパスへ移動
14時半〜レンタル返却、解散

感想

初日の集合時間10分前にツアー会社に行くも、係員がいませんでした。少ししてすぐきたものの、あと20分は待ってくれとのこと。この辺の南米らしさには流石に慣れてきました。基本的にスケジュールは有って無いと思って大丈夫そうです。
今回のツアーで時間がシビアなのは最終日の最後のアタックの時だけです。夜明けと共に氷河が溶け始めてしまい危険なので、最終日のみタイムリミットがあります。それ以外の時は基本的には常に時間に余裕があります。これは、おそらく高山病対策の一環にもなっています。高地で体を順応させていくためには、どうしても高地での滞在時間が必要です。かと言って、登ること以外に特にやることはないので、全体のスケジュールに余裕があるんだと思います。
なんやかんや急げば30分で終わりそうなレンタル装備のチェックも当然のように遅れてくるアルゼンチン人グループとフランス人二人組のおかげで2時間かかりました。冬山用のウェアやアイゼンを装着するためのプラスチックブーツなどを合わせていきます。
雪山登山に使うアイテムなのでサイズ合わせはみなさん真剣にされていました。自分は完全に素人なのでツアー会社さんのものをほとんどフルレンタルでサイズもおすすめされた物をそのまま利用しました。基本的にその道のプロの仕事を信用するようにしています。 お昼前にレンタル装備をこれまたレンタルの大きなバックパックに詰め込んでベースキャンプへ向かいます。時折姿を見せるワイナポトシに気分も上がってきます。車内では、アルゼンチン人四人組とアルゼンチン留学を経てスペイン語がペラペラのフランス人たちが盛り上がっていますが、スペイン語が全くわからない自分は黙って外を眺めていました笑。ベースキャンプの標高は4750mほど。ラパスの標高が3600〜3700ほどなので、車で1000mちょっと一気に標高を上げたことになります。やはり心なしか空気が薄い気がします。
お昼ご飯は出来合いのお弁当を食べます。少しまったりして、午後は初めて使う雪山用の登山アイテムの練習を行いました。プラスチックの登山靴にアイゼンと呼ばれる金属製のスパイクを取り付けて氷の上を歩く練習、そしてピッケルという雪や氷に突き刺して使える杖?を使って氷の壁を登る練習もしました。

これは練習というより、アクティビティに近い

この氷の壁は標高4900mワイナポトシの陰で常に氷が残っている場所のようです。 ただし、本番の登山ではこのような壁上りは存在せず、氷の上を歩くだけとなるので壁上りはアクティビティに近かったです。最後には腕が限界を迎え、プルプルさせながらギブアップ、最後まで登り切ることはできませんでした笑

そしてこの時から身体に異変が、、、1日目の夕方から二日目の午前中にかけてひどい下痢に襲われました。この症状が高山病によるものか食中毒かわからなかったですが、一度登山を諦めるか迷いました。夕飯の時にはお腹が張って痛みもありました。夕飯後に1度目の下痢、ゲップも嫌な腐敗臭がします。ただ、この匂いがゲップからするということは、高山病ではなく単純にお腹の調子が悪いだけのようです。そこで、最終アタックまでに下痢が止まるのであれば続行。止まらなければ、最終アタック中に漏らすのだけは勘弁なのでリタイアしようと決めました。夕飯後、みんなが談笑するなか一人横になり、痛みに耐えます。溜まったガスをしたからも上からも出しながら、その晩は夜中に2度トイレに駆け込みました。

翌朝は朝食に提供されたヨーグルトを2度おかわりし、お腹の復調を促しました。大量のヨーグルトが効いたのか、幸い二日目の午後から下痢が止まってくれたので登山を続行することにしました。
ちなみに 二日目の午前中はゆったりする時間でした。高山の登山ではこうしたゆったりした時間も高度に体を慣らし、高山病対策には重要なようです。一度下痢を出しましたが、昨晩ほどひどくはない上に腹痛もおさまりました。午後は、ハイキャンプと呼ばれる最終アタック前に宿泊する山小屋へ移動。その山小屋の標高は5250m。2時間半ほどかけてゆっくり移動しました。全てを担いでの移動で高所での移動だったので、普段より息がもたず、ゼェハァ言いながらたくさん休憩をとってゆっくり歩くことに徹しました。ハイキャンプでも2時間くらいは自由時間があって周りを散策、二日目は全体的にかなり余裕のあるスケジュールでした。
午後5時ごろに夕食、その日翌日に向けて午後6時に就寝しました。ただし結局ガヤガヤしていて寝られずに7時ごろに就寝。寝れたのは4時間ほどでした。

三日目、最終アタック日。深夜24時に起床、アイゼンや防寒服の準備や軽食を済ませて深夜1時半に出発しました。前日の説明では深夜1時に出発と説明されてたので、一時過ぎたあたりから急いで準備しないとと慌てていましたが、周りもガイドもなぜかゆったり笑。常に少し遅れることも見越してのスケジュール設定なんでしょうね、、、。
この最終アタックでは登山者二人あたりに一人の登山ガイドがつきます。自分たちのグループは7人でスペイン語を喋れないのが私だけだったので、英語に対応できるガイドさんがマンツーマンでついてくれることになりました。真っ暗な雪の中をひたすら歩きます。この時は前々日に教わったアイゼンでの歩き方や、前日教わった高所ではゆっくり歩いて休憩をたくさんするような登山方法を実践しながら歩きました。途中、キツすぎて引き返してしまう方や、泣き出してしまう登山者を横目にひたすら歩きます。夜なので、景色を楽しむこともなく、緩急ある雪山をゆっくり登っていきました。普段と違って、少し歩くだけで息が大きくなり、心臓の鼓動が早くなります。わずかな月明かりとヘッドライトの光で見えているのは、ほぼガイドさんと自分の足元だけ。集中しているのかぼーっとしているのかよくわからない状態でひたすらガイドさんについていきます。
気づくと周りに人はガイドと自分しかいません。自分の遥か下にはヘッドライトの光が蛇のように連なっていました。

下には登山者のヘッドライトの列

ガイドさん曰く、私は相当早く歩いているようです。周りに人がいないのと明かりが少なかったせいか、途中ガイドさんが道を間違えてルートを外れ、本当に足跡も何もない雪原を切り拓きながら歩くこともありました。そうは言ってもおそらく15分ほどだけですが、、、。
そのままぶっちぎりの一番で登頂してしまいました。本来なら夜明けの時間に着くはずが夜明け前についてしまい記念撮影はラパスの夜景とともに撮ることができました。

6088m制覇。ラパスの夜景と共に

明るくなるまで待ちましたが、山頂は狭い上に次から次へと登頂者がやってきてスペースがなくなってきてしまいました。最後は日の出を待ちきれず、下山を開始してしまいました。

明るくなってきた。山々を下に見る光景は新鮮。

正直な話、登頂した時は真っ暗で景色的な感動は薄かったです、、、汗 日の出を待っている間も寒さ(−15°)がすごくて、景色に集中することがいまいちできず、、、という感じでした。 確かにキツい道中ではありましたが、やり切ったぞぉという達成感も心なしかうすい気が、、、笑

帰りは、行きの半分ほどの時間でハイキャンプへ。帰りは何組か自分より早く帰ってきている人もいました。そこで改めて寝たりすることはせず、スープを飲んで、雪山用の登山グッズをしまってさらにベースキャンプまで下山。ガイドさん曰く、6000mまで登ると高山病のリスクが高まるので、ハイキャンプでゆっくりするよりも早めにベースまで帰って濃い空気で呼吸するのが大事とのこと。ベースキャンプでみんなが帰ってくるまで仮眠をとりました。
ガイドさんは「君なら次のもっと難しい山を目指しても大丈夫!」とのことでしたが、とりあえずは自転車旅行に戻ろうと思います!


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