海外旅行での「ぼったくり」への向き合い方4選by海外2年放浪中。
自転車で世界一周中!ゆーせいです。
海外を旅行していると、向き合わされる問題の一つに「ぼったくり」があります。このぼったくり、その語感や昨今の繁華街のぼったくりバーの被害イメージから、一見すると悪いことと判断されがちです。
海外旅行者の間でも、ぼったくりと闘ってねぎった話や怒りを覚えた話は鉄板で盛り上がるトークテーマかと思います。もちろん私も、値段を吹っかけられたと感じる時は、値切り交渉をすることもあります。
それに普通のご飯屋さんに入って定食を食べたら、思ったより値段がはって、がっかりしたことも一度や二度ではありません。
他方で、一部の旅行者にはぼったくられまいと躍起になるあまり、過剰に値切り交渉をして相手を不機嫌にさせたり、ぼったくられてると感じると途端に不機嫌になる旅行者がいるのも事実です。せっかくの楽しみで海外旅行に来ているのに、お互いに不機嫌になるのはなんだか悲しいですよね。
今回の記事では観光業におけるぼったくりに対する私なりの考え・対応策をまとめます。皆さまの海外旅行がこの記事を通して、より快適になれば幸いです。
ぼったくりには二種類ある
海外のぼったくりには二種類存在していると思っています。
一つは、市場価値とは関係なく、こちらの情報不足や言語障壁を逆手に不当に高い値段設定をしている状態。
もう一つは世界の観光市場における需要と供給によって設定された値段が、現在の日本人(貧乏)旅行者にとって、高すぎると感じてしまう状態です。
それぞれ説明していきます。
最初のぼったくり形態は、情報弱者や浮かれ観光気分の方をなかば騙すような形で行われるものです。こちらは、普段想像しているぼったくりに近いものです。観光地で向こうから話しかけてきて法外な値段で名産品を売りつけようとしたり、タクシーに乗ったら後から高額請求されるといった話はよく聞きますし、私も体験したことがあります。
次のぼったくり形態は感覚的には比較的最近生まれたもののように感じます。今となっては信じられないことですが、一昔前、日本は世界に名だたる高物価国でした。日本より物価の高い国は珍しく、日本人が海外に旅行しに行けばいわゆる観光地価格であっても、不満なく支払える場所がほとんどでした。時代は移り変わって現在、失われた30年の間に世界の経済成長についていけず、日本は他の先進国に比べて物価の安い国になりました。
しかし、日本人の海外旅行における金銭感覚は以前の状態からリセットされていません。この世界(先進国)の物価と日本人の金銭感覚のギャップによって日本人は海外に行ったときに「ぼったくられている」と感じてしまうんだと思います。
わかりやすい例で言えば、世界の有名観光地の入場料。途上国の有名観光地は観光客と地元市民で値段が分けられていることがあります。
例えば
ペルーのマチュピチュは外国人は約6000円、現地の方は約1300円
インドのタージマハルは外国人は約2000円、現地の方は約100円
メキシコのチチェンイツァ外国人約4000円、現地の方は約1800円
これに対して、日本の観光名所はと言えば…
金閣寺・・・500円(一律)
法隆寺・・・1500円(一律)
姫路城・・・1000円(一律)
国内の有名観光地ですら、この値段です。日本に海外から観光客が押し寄せる理由がよくわかります。
観光地の中にはもはや国内には目もくれず、単価の高い海外客だけに目を向けている場所すら存在するようになりました。北海道のニセコです。牛丼1杯2000円、カレー一杯2200円で売られているなんて衝撃です。日本人からすればこんなのぼったくり以外の何物でもありませんよね。
このように海外旅行客に焦点を当てた観光地では先進国の物価を基準に値段設定がなされています。日本人が海外の有名観光地に行くと、その観光地価格に驚いてしまいます。安いと思って行った観光地がご飯から宿泊、お土産まで全ての値段が高くて手が出ないのです。
しかも現地の人は何やら自分達より安い値段でサービスを享受しているらしいと聞けば尚更です。
え?手が出ないのは筆者だけ??そんなことはないと願いたい!
日本人はぼったくりに過剰に敏感(?)
そもそも、観光地価格というものに馴染みの薄かった日本人は、自分の想定していた価格より高い値段で物を売られることに対しての拒否感があるように思います。
日本における二重価格の導入の是非はさておき、日本人にとって世界には自分達には手のでない値段のものがあるということにまだ想像が追いついていないんではないでしょうか。途上国からすれば、観光客は観光地で高い物を食べて、現地人は安い飯を食う。出せる人がいるなら物を高く売って買えない自分達はわざわざ高い物を買わないなんていうことは普通すぎる日常風景でしかありません。
それだけでなく、おそらく日本人は「二重価格」そのものに対しても拒否感を覚えてしまうのです。その証拠に上記に挙げた有名観光地はどこも一律の値段設定でしたよね?
この二重価格は有名観光地のように値段が明記されているところもあるなら潔く払えるかもしれません。しかし、この観光客価格が、いわば暗黙の了解としてホテルの値段や食事の値段として個別に設定されているところも見受けられます。明記されているならともかく、海外旅行客は知らされない二重価格が存在しているとなれば、少なくとも日本人は不快感を覚えぼったくりだと思うのではないでしょうか?わかりやすく言えば「同じ宿に泊まっているのに、なんで現地人と自分とで値段が違うんだ!ぼったくりじゃないか!!」ということです。しかし、彼らからすれば、おかど違いの文句に聞こえてしまいます「だってそれでも払えるんじゃん、観光しに来るんだから」と意見の相違が生まれてしまいます。この暗黙の二重価格設定を受け入れがたい日本人とそれを当然のこととして受け入れている現地人の感覚のギャップこそ、売り手と買い手お互いに不機嫌になってしまうぼったくり値切り交渉の根本原因だと思っています。
また「バックパッカーたるもの現地の方に舐められては行けない」「値切れば値切るだけ貧乏旅行者としてのスキルが上がる」というような考えや思いも、、、日本人側には根強く残っているようにも思ったり思わなかったりもします。
以上「世界の物価高を信じられない」「二重価格への拒否感」「貧乏旅行者の意地」この3点から、日本人はぼったくりに対する過剰な拒否感を抱いているように思ってしまうのです。
ぼったくりに対する向き合い方
さて、現状を自分なりに整理してみました。現状が整理できたところで、ぼったくりが無くなるわけではないので、じゃあ一体どうすりゃええねん!という本題に移っていきましょう。
向き合い方①事前に現地の物価感覚を知る
海外旅行に行く際には、現地の物価感覚を事前に情報として入手しておくのは必要なことです。事前に知っていることで自分がぼったくられているかどうかを判断する基準が生まれます。ここでの注意点はネットに落ちている特にコロナ以前の情報を鵜呑みにしないことです。日々、物価は変動しているのでなるべく最新の情報を手にしておきましょう。事前に物価の感覚を知っておけば、交渉の際に無用な労力をかけずに済みます。つまり思ったより高い値段を吹っかけられたと感じた際にも、それが交渉できる余地のある観光客値段なのか、そもそも交渉の余地のない正規値段なのかがわかれば、その先の交渉に進むのかそこでの購入を諦めるかの判断がしやすくなるからです。
私のようなズボラは、上記の動画のように国境を超えてから実際に買い物をして、肌感覚でその国の物価を掴もうとした結果、国境を超えてすぐのところでぼったくられているんですから、ちょろいもんです。まさにカモですね。
向き合い方②自分の出せる金額をあらかじめ決めておく
日本人には馴染みの薄い価格交渉は精神が削られます。なれない言語で行うので尚更です。そこで「海外旅行は値切れるだけ値切ってなんぼ」の精神では疲れてしまいます。
要するに与えられるサービス・品物・価値に対して自分はいくらまで出せるのかが決まっていれば、たとえ客観的に見てぼったくられていたとしても問題ではありません。自分が出せる価格なら支払い、出せない価格なら諦める。非常に単純ですが、それを決めておくだけで心の整理はスッキリできます。また、それを決めておけば他の旅行者からの「本当はもっと安く買えるのに!」とか「あっちのお店はもっと安かったよ!」みたいな値切り上手マウンティングに対しても「いや、その値段分の価値があると判断したから」と心の中で自分を納得させ、変に羨むことなく「そうなんだね〜、いいなぁ笑」と適当に受け流せるようになります。
向き合い方③むやみに交渉しない
少なくとも中南米においては意外と料金交渉がそもそもできないホテルや飲食店・サービス・ツアーも存在しています。先ほどの続きとなりますが、自分なりの基準を設けておくことで、交渉を長引かせずに済ますことが可能です。無理なものは無理ですよと。
特にその場で替えが効くものの場合は下手にそこで長時間交渉するよりも、他のお店に行く方が手っ取り早く安い物を手に入れられる可能性が高いというのが旅行を続けてきて実感があります。例えばホテルが2件以上あるなら2件ともで料金を聞いてみて安い方に泊まるくらいの気軽さで頑張って交渉するよりも労力が少なく安い値段で泊まれたりするもんです。あるいは、「あっちの方が安いんだけど…」と一言言えば「じゃああっち泊まれば」or「じゃあウチはいくらまで下げるよ」と結構あっさり結論が出たりします。
買う気はあるけど値段が高いから諦める姿勢を見せると、案外向こうからもう一値引きしてくれることもあります。(もちろんそのもう一押しでも高すぎて手が出ないことだってたくさんありますけど)
個人の感覚としては、交渉しすぎて疲れすぎたり、お互い不機嫌になってその後に良いサービスを受けられなくなる位であれば、値段を複数箇所で聴き回って妥協できる値段の場所で決着をつけるという方法は一箇所に固執して値段交渉するよりも遥かに効率的です。
向き合い方④声掛けには注意
観光客に自分から声をかけてくるタイプの営業には注意が必要です。ツアーにせよ、お土産にせよ、タクシーにせよ観光客をターゲットにしている→観光客値段で物を売りたい人たちですから、最初から高い値段設定であることは目に見えています。良くないタイプのぼったくりもそっちの方が多いです。それよりも、お店を構えている所の方が、幾分やすい値段でものやサービスを提供している印象があります。これもまた大口コミ時代の恩恵かもしれません。お店をGoogleマップで検索したときにぼったくりだと書かれてしまっては商売あがったりですが、路上での声掛けには口コミの投稿の仕様がありませんからね。
また、情報収集の際には利害関係のない現地人に聞くのが得策です。たとえばタクシー料金の相場を知りたいときにはホテルのスタッフに、ホテルの値段を知りたい時はタクシーの運ちゃんに。自分と関係ないビジネスの相場は案外あっさり正規値段を教えてもらえることが多いです。
最後に
いかがだったでしょうか。この記事を通して、ぼったくりに対するイメージが明確になって、ぼったくりに対する向き合い方の参考になれば幸いです。ストレスの少ない気持ちの良い海外旅行の一助になれば!みなさま良い旅を!