ジアゼパム減薬記録① 2022年10月21日~2023年2月21日

ジアゼパムの減薬を本格的に開始して4ヶ月ほど経過したので、ここで一旦記録を取っておく。

ちなみにこの記録は主治医と相談の上で行っている減薬法であり、現在ベンゾジアゼピン系薬を服用している個々人に対する医学的アドバイスではありません。

ベンゾ依存に悩んでいる人は参考程度に留めておいてください。

現在までの経過

2019年6月頃
少し動くだけで体がだるくなる
朝ベッドから起き上がるのが困難な症状が発生
2019年7月
精神科受診 適応障害と診断
スルピリド錠50mg 1日2回 朝夕食後
2019年11月
症状が軽快
スルピリド錠50mg 1日2回→1日1回 朝食後へ変更
2020年5月
希死念慮の症状が強まる
ジアゼパム錠5mg 不穏時頓服 追加
2021年7月
早朝覚醒の症状が出る
デエビゴ錠10mg 不眠時頓服 追加
2022年7月
早朝覚醒の症状が治る
デエビゴ錠10mg 服薬終了
2022年9月
ジアゼパムの離脱症状が発生
ジアゼパム錠5mg→2mgへ変更

ジアゼパムを服用し始めたのは今から2年9ヶ月前です。
飲み始めた当初は希死念慮の症状を抑えるのに必死で、離脱症状に悩まされるようになるとは夢にも思いませんでした。

離脱症状が出始めた当初(恐らく2022年6月頃)、ジアゼパムの離脱症状だと全く気が付きませんでした。

以下が私のジアゼパムの離脱症状です。

  • 吐き気

  • 食欲不振

  • 体重減少

  • 気が遠くなる感覚

  • 息苦しさ

  • 軽いパニック発作(錯乱)

初めに息苦しさが起こりました。
コロナ禍でマスク生活となりかつ、製薬工場勤務で一日中マスクをつけていることもあり、そのせいで息苦しいんだと完全に思っていました。

ですが、頓服のジアゼパムを服用すれば症状がなくなるということに気が付き、そこで初めてジアゼパムの離脱症状だと気が付きました。

元々週に1~2回しか服用しておらず、離脱症状が発生するまでの総服用量は450mgと少なく、発生閾値とされる2700mgには程遠かったのですが私の場合は起こりました。

私は、服用量よりも服薬期間の方が離脱症状の発生に大きく関連しているのでないかと考えています。

最初の症状が発生するまでに約2年間服用していました。

2022年9月に、諸々の症状はジアゼパムの離脱症状だとわかり減薬を開始しました。
初めは簡単に減らせるものだと思っていたので、5mgから2mgへと減らしました。医師からもそう言われていました。

すると離脱症状が耐えられなくなるくらいに強くなり、そこで減薬ペースを変更しました。

2022年9月 
ジアゼパム減薬開始 5mg→2mgへ(離脱症状発生時に服用)
2022年10月下旬
激烈な離脱症状発生 一時的に服用回数を2日に1回に
2022年11月上旬
2日に1回では減薬できないとわかり減薬ペース変更
2mgを2日に1回→4mgを2日に1回
3週間から4週間で離脱症状の様子を見て0.5mgずつ減薬
2023年2月下旬(現在)
2mgを2日に1回服用中 3月に1.5mgへ減薬予定

4ヶ月減薬を続けた私の結論ですが、

ベンゾジアゼピンは急激な減薬をするべきではない

と結論づけました。

ベンゾジアゼピンの離脱症状のつらさは起こった人なら分かると思いますが、めちゃくちゃつらいです。

藁にも縋る思いでこの本を買いました。

減薬当初はそれなりに参考になりましたが、著者もベンゾ依存に苦しむ一人で情報に偏りが感じられた(読んでいると怖くなってくる)ので読んでも参考程度にしていた方がいいと思います。

ホームページもあります。

以下、私が減薬する上で大切だと感じたことを3つ書いていきます。

1.日々の減薬量よりステイ期間

減薬方法にはいろいろありますが、多くの人はカットアンドホールドだと思います。私もそうです。
なぜならマイクロテーパリングは慎重すぎるし大変すぎるからです。

・カットアンドホールド
投与量を階段上に減らし、減らした後発生する離脱症状が治まるまで一旦ステイする方法
・マイクロテーパリング
1日あたりマイクログラムといった超微量ずつの減量を行い、トータルで毎月5~10%ずつ減量する方法

「ベンゾ系睡眠薬・抗不安薬からの安全な離脱方法」115pより

断薬するのに減薬方法は非常に大事です。
しかし私は、どんな減薬法を使っていても多少の離脱症状は免れないと理解しました。

それは離脱症状のメカニズムにあります。

ベンゾジアゼピンを常用すると薬がある状態で身体のバランスを取ります。
薬がなくなるとどうでしょうか?
当然ですが、身体のバランスを崩します。
これが離脱症状なのです。

…(中略)…というわけで、あなたが離脱症状を抱えている時は、それは回復が進んでいる証左でもあるのです。
最後に、服薬がなくなった、とします。― はい、つまり断薬です。そして、“回復”となります。ベンゾは(体内から)なくなった。もはや“悪魔の薬”は存在しない。症状は残ります。ですがその症状はキツイかもしれませんが“敵”ではありません。悪魔と思われるものは、ただわたしたちの脳が正確にやるべきことをやっているだけのものなんです。

Parker「ベンゾ離脱中に脳の中で何が起きているか」より

私がジアゼパムの服用を2日に1回としているのはこれが理由です。
激烈な離脱症状は遷延性離脱症候群を発症する可能性が確かにあります。

ですが、多少の離脱症状は乗り越えなければならない、と思っています。

回復とは、薬が体内で減った状態の時に初めて起こるのですから。

何週間かステイして、離脱症状が軽くなれば、その用量で身体が適応した状態になったのだと思います。

2.コーヒーを適量飲む

これはウィキペディアに書かれていたことに起因します。

興味深いことに、動物実験においてカフェインは、発作閾値を低下させるようなベンゾジアゼピン部位の調整を示した。

Wikipediaより

動物実験レベルなので本当のところは分からないが、これが本当なら離脱症状の発生を抑えられるのではないか?と私は考えています。

私は週末しかコーヒーを飲みません。
そのくらいの方がいいのかもしれません。

カフェインに対する反応は個々人でかなり異なると思われるので、あまりに過敏なら控えるのがベターかと思います。

3.服薬ペースを遵守する

離脱症状が強く発生した時、薬を服用したいと思うでしょう。
そこで我慢するかどうかの見極めはかなり大切だと思います。

ベンゾジアゼピンの減薬プロセス中、“困難な状況 (sticky patch)”に直面する人がいます。
多くの場合、離脱スケジュールを再開する前に、同じ用量をより長期間(数週間以内)維持する事で、この問題を克服する事が可能です。
しかしながら、待ち望むプラトー期(安定期)が来る前に増量することは得策ではありません。
実際、スケジュール中にベンゾジアゼピンを一定の用量で保つとき、誰も決して‘安定’することはありません。
用量は一定であっても、離脱症状は一定ではありません(軽減します)。歯を食いしばって、離脱を継続する事が得策です。
真の回復とは、薬が身体全体から抜け出て初めて、本当にスタートするのです。

アシュトンマニュアルの追補 2011より

私も減薬の最中、何度となくこの状況に直面しました。
ですが、3~4時間で離脱症状から回復しました。

しかしながら、離脱の際には、常に前へ進むことが大切です。
困難な局面が来たら、必要ならばそこで数週間減薬をストップしても構いません。
しかし、後戻りして用量を再度増やすことは避けるべきです。
中には、特に辛い状況の時、“エスケープピル*”の使用を勧める医師もいます。
おそらくこれは賢明な考えではありません。
というのも、ベンゾジアゼピンの血中濃度のスムーズな低下を阻害し、また、離脱に順応するために必須である、薬なしで対処する学習プロセスを中断させるからです。
もし十分にゆっくりと漸減しているのなら、“エスケープピル”を必要とすべきではありません。
〔*訳註:「エスケープピル」とは、緊急避難的な意味での追加的な服薬のこと〕

アシュトンマニュアル第Ⅱ章(前半)より

エスケープピルの用意は必要だとは思います。
多少の後戻りは減薬期間においてあまり影響はないと個人的に思いますが、適切な減薬ペースであればまず服用することはないでしょう。

まとめ

私もまだ減薬の最中です。
今後もベンゾジアゼピン系薬物に依存して悩んでいる人に少しでも役に立つように減薬記録をまた書こうと思います。



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