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「もっとちゃんとやったら?」って言うタイミング

こんにちは。
水泳個別指導FORMS代表の尾崎でごぜえやす。

気づけば個別指導という特殊な形態で10年近く指導をしています。
一応まだ20代です。

そんなこんなから生まれる何かで、読む人に少しでも役立てたらと思います。
ブログよりシンプルだからnoteは少し気楽にいきたい。

noteでは、主に2つの配信をします。

  1. スポーツをする親子の関わり方で思うことをコーチという第三者目線から

  2. ジュニア選手でもわかるように生理学や解剖学の話(時間かかるから待って)


今回は、よくお悩み相談でいただく内容をもとに!


「いくら言っても自分から自主練をしたり、意識高く取り組まないんです。どうしたら良いですか?」


みたいな主旨のご相談が結構あります。

これ、どうしたら良いのでしょうか。
あくまでも一意見ですけど、僕なりに答えがあるのでシェアします!




まあ、なんでやらないかと言いますと

まだそこまでの強烈な「きっかけ」に出会っていないからなんだと思います。

競技を続けていれば勝手に自発的になるわけではなく、やはりその中で生じる何らかの感情を揺さぶられる経験が無いと変わらないところはあると思います。

もちろん、指導者や保護者など周囲の大人が働きかけることは大切なことです。
その働きかけも一要因。

でも最終的にやるのは本人です。
どの要因が1番大きいかと言うと、大人からの働きかけよりも、本人が経験して感情が揺さぶられた体験だと思います。


百聞は一見に如かず


やはり、どれだけ言葉で「ちゃんとやりや」「もっとやらないとベストタイム出ないよ」と言われても、経験としてそれを体感するまではなかなか分かりません。


ネガティブな体験だと

・レースで大失敗した
・ライバルに負けた
・前まで自分より遅かった子に抜かされた
・あと0.1秒でタイムが切れなかった

などなど。

ポジティブな体験だと

・大きな大会に出れたので、もう一度出たい
・はじめて表彰台に乗れた

などなど。


よその子はよその子であって条件が異なる

これまで沢山のお子様と接してきました。

確かに、小学校低学年でもすごく意識が高い子や、競争がそもそも好きな子、とても負けず嫌いな子などがいます。

彼らはその気質的に、きっかけが無くてもかなりやります。


そういう子が周囲にいると、どうしても自分の子はどうして必死さがイマイチ無いのだろうかなど思うことも多いと思います。

ですが、これに関しては比較すべきものではないと思います。
生まれつきの気質の差というのは絶対にありますので。
条件がそもそも違います。

それぞれの気質として良いところ、苦労しやすいことは様々です。

であれば、もう少し再現性があって言葉が響きやすいタイミングでお子様に働きかける必要があると思います。

先回りをしないことで最高のタイミングが来る

大人の”必殺技”は先回りです。
いくら子どもが意識高く取り組んでくれないからと言っても、
次の試合で大失敗して欲しくないと願い、働きかけてしまうのが大人。

本人にそこまでやる気がなかろうとも、大人はそれなりに必死に準備を「してあげる」わけなので、試合で大コケしないことが多い。

大人は先に生きているから、やらないとどうなるかわかっています。
だからついつい手出ししすぎてしまうんですよね。


ですが、これは良いことばかりではありません。

なぜかというと、大コケはしないけど大成功や大きな成長もしないからです。


「もっとちゃんとやったら?」「もっと頑張らないとだね」と言う最高のタイミングは失敗の直後なんです。

レースで撃沈して、しょんぼりしている姿はいたたまれないかもしれません。
でも、この瞬間こそがもっとも響く時だと思っています。


目線を少し長くしなければいけません。
広い視野、俯瞰。
目先の出来事だけが競技人生だけではありません。

もちろん「将来」という言葉は現実を先延ばしにしてしまう負の側面はあります。

ですが、使い分けです。
本人の様子を観察し、使い分けるものだと思います。

失敗の経験を奪わないことも重要です。


『負けは弱さの証明ですか? 君たちにとって負けは試練なんじゃないですか? 地に這いつくばったあと、また立って歩けるのかという。君たちがそこに這いつくばったままなら、それこそが弱さの証明です』

漫画 ハイキュー!! 武田一徹


ちゃんとやらないと、結果がどうなってしまうか。
これは実体験として、痛みとして味わって初めて理解ができます。

大人からいくら口うるさく言われても、まだそれは空想上の出来事に他なりません。

時には、失敗する経験を待ってあげるのも良いのではないでしょうか。


成功体験ばっかりフォーカスして気持ち悪い世界

成功体験はとても大切です。

自信も付きますし、世界も広がります。
もう一度あんなふうに良い思いをしたい!
といったモチベーションにもなります。


でも、成功体験ばかりにフォーカスというか、至上主義的になるのは正直気持ち悪いと思います。


成功も失敗もあるのが人生、競技人生だと思いますし、
失敗体験をいくらか乗り越えた先の成功体験だからこそ真に成功体験で自信になるのでは?と思ったりもします。


もちろん競技ができなくなるほどの大怪我みたいな失敗体験は避けないといけません。


ですが、失敗体験は成功体験と同じくらい重要なものであって、避けすぎるべきではないものだと思います。


距離感を大切に

では、適切に失敗体験を積ませるにはどうすれば良いのでしょうか。

僕は距離感だと思います。

選手たちは、学校やクラブでなんやかんやガミガミ言われてたり、何かを感じとったりしています。
それでもなお、家でも言われすぎると嫌になります。

嫌にならないまでも、距離感を知覚しすぎると、ある意味、親離れ子離れできてないような状況になります。


「あ〜、最近練習テキトーにこなしとるなあー。次の試合どうなっても知らんでほんまに。ちょっと黙っといたろ。」


そんな距離感も時には大切だと思います。


案の定撃沈して帰ってくると思います。

その時です。

だからこそ響くんです。


「待つ」という最もシンプルで最も難しく、最も根気のいる「行動」


待つことも行動であり、働きかけなんじゃないかな。
って思います。

時にはドーンと。

一意見です。


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