漢字#2 漢字に興味をもったきっかけ、角のない「鬼」?
・漢字に興味をもったきっかけ
小学生の頃は漢字が得意なわけではなく、むしろ苦手だったかもしれません。
自分の小学校では全校一斉に漢検を受けることになっていました。小学校二年生のときに受けた漢検では見事に5点足らずで九級に不合格になってしまいました。九級の合格率は90%前後なのでいま考えるとかなりの最下層ですね…。
そんな僕が漢字に興味を持ったきっかけは漫画でした。こち亀の161巻の1話、【この字 何の字 気になる字の巻】という回です。小学校中高年くらいに読んだ記憶があります。
(以下皆さんがこち亀を知っている前提で書きます...)
中川と麗子でも読めない漢字、皆さんは読めますか?
漢検一級に馴染みのある方ならご存知かと思いますが、答えは「げんげ」です。げんげは「レンゲソウ」のことで、漫画では紫雲英は中国での名称を指すと早矢が説明しています。
↑ゲンゲ(Wikipediaより)
余談ですが英は「はなぶさ」「はな(花)」とも読むので、そこから植物であるということは想像できるかもしれませんね。
部長がこの漢字を「むらさきくもえい……?」と読んだのに対して、聞いたこともない「げんげ」という答えがとても耳に残り印象的でした。
この漢字をきっかけにいつものメンバーが漢字の出題で盛り上がっていきますが(仕事は…?)、当時小学生の自分には「凸凹(でこぼこ)」「万年青(おもと)」「鰆(さわら)」などほとんどが読めない漢字でした。
「『げんげ』ってそもそもなんなの?」、「『凸凹』って漢字なんだ…」などと思い、クイズ感覚の楽しみを見いだすと同時に、漢字の未知の領域の広さに強く惹かれました。
・魚編の漢字
中でも当時一番最初にハマったのは魚編の漢字でした。両津は寿司職人なので魚編の漢字にとても強く、読めない部長を小馬鹿にしていました。
難しく感じるかもしれませんが、基本的に魚+簡単な漢字の組み合わせなので覚えやすく、漢字の世界の入り口としてはとても最適だったと思います。
せっかくなので魚編の漢字の読みテストをいくつかよかったらどうぞ。最上級は自分も読めないものを適当に引っ張ってきました。(答えは記事末尾)(難易度は主観)
「いっぱい魚編知ってたらかっこいいかも?」ぐらいの感覚で始めた魚編暗記でしたが、次第に漢字を覚えていくこと自体が楽しくなっていきました。
・角の無い「鬼」?
今では散歩中に寺・神社にある立て札や、植物の名札に注目することが多く、覚えたての言葉を見つけたり、まだ知らなかった漢字を発見したりと、日々の日常の中での楽しみが増えました。
最近では雑司ヶ谷を散歩していた時、鬼子母神堂を訪れたのですが、「鬼」の上の「ノ」の部分が無かったのが興味深かったです。残念ながらパソコン上でこの文字は入力できないのですが、下のような漢字です。
幼児をとって食らっていた鬼子母神が釈尊に説教されたことで改心し、角を外したという俗説からこの字が使われているとも言われていますが、そもそもこの鬼という漢字は最初は「ノ」の部分が無い字が使われていました。
(学研出版、「漢字源 改訂第四版」より)
漢字は約3300年前の殷王朝の時代頃から使われ始めたと言われ、
甲骨文字→金文→篆書→隷書→楷書
のように書体を徐々に変化させていきました。(他にもいくつか書体があります。)
上の字を見てわかるように、甲骨文字・金文の時代の「鬼」には角がありませんでした。それが時代と共に字形が変化していき、今のように角のある「鬼」が使われるようになったそうです。
ここまで読んでいただきありがとうございました、少しでも漢字に興味を持っていただけた人がいたら嬉しい限りです。
最後に、改めてこち亀のこの回を読み直したら未だに知らなかった漢字が少しだけあったので、二つ出題しておきたいと思います。
↓答え
↓
↓
↓
↓
↓
「サフラン」
「しゃこ」
魚編の答え (別解は省略)
初級→まぐろ、さば、あゆ
中級→はまち、ほっけ、どじょう
上級→かいらぎ、さんしょううお、しいら
最上級→このしろ、とど、なまず