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三菱の創始者、旧岩崎邸を湯島に訪ねる(近代レトロ建築-15)

上野の不忍池の裏手にあたる湯島といえば湯島天満宮がまず有名ですが、それと並びレトロ建築好きには旧岩崎邸は欠かすことはできません。

旧岩崎邸庭園は1896年(明治29年)に岩崎彌太郎の長男で三菱第3代社長の久彌の本邸として建てられました。当時は約1万5,000坪の敷地に、20棟もの建物が並んでいたそうですが、現在では洋館・撞球室・和館大広間の3棟が残され公開されています。今回は、ジョサイア・コンドルが設計した三菱創業家の旧岩崎邸をメインの目的に湯島を歩きました。

この記事が、読んでいただいた皆さんの街歩きの「ガイド&マップ」となったら嬉しいです。健康のためにも歩きましょう。


マップが見えない方(iPhoneのsafariでは警告が出る)はこちらのリンクから。

メトロ千代田線湯島駅を起点に歩きます。
旧岩崎邸を目指す前に少し寄り道して、前々から訪問したかった湯島駅近くのレトロ建築、小川眼科医院を訪ねました。

小川眼科医院 (黒沢ビル)

竣工年:1931年(昭和6年)。
小川眼科医院は震災後の昭和初期に鉄筋コンクリート造で建てられました。昭和モダンテイストを取り入れた西洋建築で随所にステンドグラスが施されています。現在も眼科医院として使われています。

小川眼科医院 (黒沢ビル)
小川眼科医院入り口

写真では見にくいですが、入り口上部にステンドグラスが見えます。

さらに旧岩崎邸に至る道筋に思わず立ち止まって見てしまう町屋を発見しました。後日調べてみると「鶏鍋屋 鳥栄」でした。

鶏鍋屋 鳥栄

創業は1909年(明治42年)の老舗の鶏鍋屋「鳥栄」。超有名店らしく、夕方から夜のみの営業でなかなか予約が取れないお店とか。建物の詳細は不明。昭和初期とおぼしき木造2階建の風情ある町屋です。写真は昼間なので営業はしていません。

鶏鍋屋 鳥栄
鶏鍋屋 鳥栄

いよいよ旧岩崎邸に到着です。
入り口で料金を支払い、紅葉が始まった馬車道をカーブしながら登っていくと洋館が目に飛び込んできました。

入口から続く馬車道

旧岩崎家茅町本邸 洋館

竣工年:1896年(明治29年)設計:ジョサイア・コンドル。

木造2階建・地下室付きの洋館は岩崎家の迎賓館として建築。屋根はスレート葺き、ジャコビアン様式を基調としつつ、ベランダはコロニアル様式が表れています。鹿鳴館の建築家として有名な英国人ジョサイア・コンドルの設計で近代日本住宅を代表する西洋木造建築です。同時期に多く建てられた西洋建築にはない繊細なデザインが、往事のままの雰囲気を漂わせています。

https://www.tokyo-park.or.jp/park/kyu-iwasaki-tei/index.html

ちなみにジョサイア・コンドルとは…

日本政府の招聘により来日。工部大学校造家学科(現・東京大学工学部建築学科)の初代教師に就任し、日本で初めて本格的な西欧式建築教育を行いました。門下には、東京駅の設計で知られる辰野金吾、赤坂離宮を設計した片山東熊など、近代日本を代表する建築家がいます。東大本郷キャンパスには銅像が立っています。墓は文京区の護国寺にあります。現在、東京で見られる現存している建築はニコライ堂三菱一号館古河邸綱町三井倶楽部などです。

wikipediaより
洋館 正面
洋館 正面 拡大
洋館 庭園側
洋館 側面側 拡大
洋館 側面側 拡大
洋館 庭園側

旧岩崎家茅町本邸 撞球室

竣工年:1896年(明治29年)設計:ジョサイア・コンドル。
木造ゴシック様式のビリヤード室。校倉造の外観はスイスの山小屋風。洋館と同じくコンドルの設計です。撞球室(ビリヤード場)は当時の日本では非常に珍しく、洋館から地下道でつながっています。

撞球室
撞球室

旧岩崎家茅町本邸 和館

洋館と結合された書院造りの和館は当時の名棟梁大河喜十郎の手によるものと言われています。床の間や襖には、明治を代表する日本画家・橋本雅邦が下絵を描いたと伝えられる障壁画などが残っています。現存する大広間を中心に巧緻を極めた当時の純和風建築をかいま見ることができます。

和館
和館  洋館との結合部分

かつての大名庭園を一部踏襲した広大な庭は、建築様式と同時に「芝庭」をもつ和洋併置式とされています。洋館正面の向かいに樹齢400年というイチョウの古木も必見です。

樹齢400年というイチョウの古木
秋の風情漂うイチョウの古木と洋館

健康と学びの一石二鳥。「自分の足で歩いて自分の目で実際に見る街歩き」を発信しています。記事が「レトロ街歩きのガイド&マップ」となって、読んでいただいた皆さんの街歩きの一助になって欲しいな〜と思って記事を書いています。

この記事は、私の「東京レトロ街歩きガイド&マップ」サイトのテーマ別「Th-07今に残る近代レトロ建築」を基に街歩きをしています。記事の内容以外にもAll in Oneのガイド&マップになっています。こちらもぜひ参照ください。

またinstagramでも「近代レトロ建築」を発信していますので、ぜひ訪問してみてください。


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