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韓国ドラマ「ソンジェ背負って走れ」☂感想


2009年7月、人々が皆既日食の天体ショーに沸く中、その奇跡を病院のベッドの上で窓越しに眺めているソル(キム・ヘユン)。
その時、ソルの携帯にラジオ番組から間違い電話が掛かってきました。


歩くことのできないソルにランニングシューズをプレゼントすると話しかけるラジオのDJ。
その言葉を聞いたソルは、やるせない気持を電話口にぶつけます。


「あなたは私を歩けるようにしてくれる?
人をバカにして楽しい? 人生が楽しそうで羨ましいわ。 世の中には天気がいいせいで死にたくなる人もいるの!」
ソルは携帯を床に投げつけます。


続いてソルに語りかけてきたのは、人気バンドのボーカルのソンジェ(ピョン・ウソク)でした。
「ありがとう。生きててくれて。そばにいる人は感謝しているはずです。
だから、今日を生きてほしい。
いい天気なので。
明日は雨が降るそうなので、その雨が止むのをまって生きてほしい。
そうすればいつか人生が楽しくなる日が来るかも。」

寄り添うようなソンジェの優しい言葉を聞いて、母親の肩で泣き出すソル。



時は流れ2022年12月、ソンジェの言葉に生きる希望をもらい、明るさを取り戻していたソル。
ソンジェの推しになったソルは、ライブに送ってくれる親友の車の中で、ソンジェの卒業アルバムを見せてもらい気持ちが上がります。
ソルは学生時代にソンジェと接点はなかったのですが、ソルの隣の学校に通っていたのでした。


ライブが終わった帰り道、ソルの電動車椅子が止まってしまい寒さに凍えるソル。
通りかかった車の中からソルを見つけ、降りて傘をさしてくれたのはソンジェでした。
初雪の中、寒そうにしているソルにカイロを手渡すソンジェ。
ソルは嬉し涙を流し、ソンジェに感謝の気持ちを伝えます。


タイミング良く(悪く?)迎えに来た親友の車で家に帰り、部屋でライブの余韻に浸っていたソルは、ソンジェが自殺未遂をしたことをSNSで知ります。
動揺しながら、ソンジェが運ばれた病院へ急ぐソル。
その途中で、ソンジェが命を落としたことを知ったソルは「なぜ今日を生きなかったのよ!!」と泣き叫び、そして彼女に不思議なことが起こります。

気がつくとソルは教室で授業を受けていました。 
なぜか高校生に戻り、自分が歩けることに気づいたソルは、教室を飛び出し、真っ先にソンジェを探します。

「1秒前も過去になる今、人生で最も特別な瞬間は愛する人と過ごす今日ではないでしょうか。愛する人に向かって今すぐ走ってください」  

横断歩道で信号待ちをしながら、果物店のラジオから流れてきた声を聞いていたソルは、その言葉通り走り出します。
プールで練習をしていたソンジェを見つけたソルは、思わず駆け寄り彼を抱きしめます。
突然の出来事に驚くソンジェ。
過去と未来を行き来し、ソンジェを救いたいソルが選ぶ未来は。


第1話のあらすじを紹介しました。
ピョン・ウソクさんが演じるソンジェは、一途にソルを思う姿が素敵でした。
雪のシーン、雨のシーンでソルに傘をさす角度が完璧で、二人の美しいシーンに見とれました。
キム・ヘユンさんが演じるソルは、ソンジェを救おうとする一生懸命さが本当に可愛くて、ソンジェとソルの二人の世界に夢中になるドラマでした。


そしてもう一人、ソルが高校時代に好きだった人気者のテソンも注目人物です。
どこか高校生らしくないソルの正体を見抜こうとするテソンのまなざしは、彼の軽いキャラクターとのギャップがあり魅力的でした。
(ソンジェとの恋のライバルバトルも面白かった😄)



ソルはソンジェと出会って、過去と未来を行き来しながら貴重な思い出をたくさん積み重ねていきますが、物語後半で、ソルと出会わない人生を送ったソンジェが、ふとした瞬間に存在しないはずのソルの記憶が脳裏に蘇り、理由がわからずに混乱してしまうシーンがありました。

違う人生で出会ったソルとの思い出を、フラッシュバックのように思い出すソンジェ。 
全てを思い出したソンジェは、ソルがどれほど大切な存在なのかを理解します。


例えば、ソンジェに蘇った記憶が平行世界や過去世のようなものだと考えてみると、心に刻まれた記憶はどこかに保管されていて、トリガーになるもので再び表面に現れてくるのかもしれません。
私達の心や細胞に刻まれた記憶は、何かのきっかけで蘇ることがあり、再会した人の瞳の中に懐かしいものを見つけ、人はまたその人に恋をするのかもしれません。


このドラマは一度見ただけでは意味がわからないシーンが何箇所かあって、見終わってしばらくしてから「そうか、なるほど!」と理解出来るシーンがあり(私だけかもしれませんが)、とても味わい深い作品でした。
家族の愛にも溢れるドラマでした。

「ソンジェ背負って走れ」では、雨の日、雪の日、皆既日食など、お天気や空に関係があるシーンが印象的です。
「空」と似ている「心」にも雨の日の後には晴れの日があり、奇跡の日もあることを教えてくれる作品だと思いました。


 

 



















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