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映画「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」

私はSF映画には慣れていると思っていましたが、この映画の世界観には驚かされました。
「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」を紹介します。

ストーリー 

つぶれかけのコインランドリーを経営する
エヴリン(ミシェル・ヨー)は
母親に理解されていないと感じている娘のジョイと
気の弱い夫ウェイモンド(キー・ホイ・クァン) 
エヴリンを理解しようとしない父親の
3人の家族に囲まれ
いっぱいいっぱいの生活をしています


ギリギリの精神状態のエブリンの前に
別の宇宙から来たという夫が現れ
アプリのようなものを使って
走馬灯のように見せられたのは
彼女の過去でした
誕生したとき医者に
「女の子です」と告げられ落胆する父親
少女のエブリンに「せかせか走るな」と怒る父
父に結婚前の夫のことを否定されたまま
家を出る二人の映像でした

混乱するエヴリンに宇宙から来たウェイモンドは
「全宇宙に強大なカオスをもたらす悪を
倒せるのは君だけだ」
と意味不明の使命を背負わせ
理由もわからず並行世界に
エヴリンは飛び込んでいきます

第95回アカデミー賞7部門を受賞した
家族をテーマに並行世界で繰り広げられる
不思議で感動的な作品です

作中で雑用で忙しいエヴリンは夫の優しさにも気づかず、自分をわかろうとしない父親に理解されるのを諦め、娘の気持ちも理解しようとしません。エヴリンの口から出るのは「あなた、太り過ぎ」という娘を悲しませる言葉だけでした。


別の宇宙から来た夫に悪を倒すようせまられるエヴリンが「私は平凡で何ひとつとりえがない」と答えると、「そのとおり。目標をたてては挫折し、夢を描いては諦めた。分からないか?君の失敗がいくつものエヴリンに分岐する」と夫は言います。
エヴリンは失敗の数だけ人生の可能性が無限に広がったことに気が付きます。
他の並行世界にいる自分の得意なことを借りて悪と戦い始めたエヴリンは大切なことに気づき始めます。


エヴリンが悪と争っている時に夫のウェイモンド(宇宙から来たウェイモンドではない)が戻り、間に入って仲裁します。
「争うのはやめよう!怖いから、混乱してるから争うんだ。僕も混乱している。1日中何が何だかわからない。一つだけわかるのは優しくならなきゃ。」とウェイモンド。
 

このセリフは悪との争いと家族とのゴタゴタをかけての言葉と思われます。映画とは異なりますが、私は毎日出来ることをやって過ごしてはいるつもりですが、自分はいったいどこに向かっているのか「わからない」し、毎日起きている出来事にどんな意味があるのかもわからないと思うことがあります。

人生はおしまいから眺めないことには、どこに向かっているのか、今起きていることの意味は何なのかは明かされないしくみになっているのでしょう。

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