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若いスーツの男

僕は若いスーツの男が嫌いだ。「特に新卒です!」とか「新入社員です!」「研修ww」みたいな顔をしている奴はもっと嫌いだ。どれくらい嫌いかというとそれはもう泣きそうなくらい。

しかしこの世にはたくさんの若いスーツの男がいる。まるで蠅のようにどこにでも現れる。電車の中、駅のホーム、大学、大学から駅までの道、家の近く…

僕からしてみれば”くねくね”なんかより何倍も恐ろしい

若いスーツの男は良く徒党を組んでいる。それは不安からか、それとも大学生ノリが抜けていないからか分からないが、よく同年代と集まっている。

中年のサラリーマンほど落ち着く人はいないが、若いスーツの男はどうしても好きになれない。

若いスーツの男はとても楽しそうな顔をしている。「仕事が楽しい」とか「仕事って新鮮だ」とか「あの上司がどうたら」だとか浮ついたことをよく話している。「お前どこに就職した?」とか

中年のサラリーマンを見てみろ、あの貫録を。一人で新聞を読んだり、本を読んだり、携帯を見たりしているじゃないか。


どうして僕は若いスーツの男を毛嫌いするのか。

そんなの簡単だ、「僕にはなれない、なりたくない」ただそれだけだ。

もう少し具体的に言うと、僕には若いスーツの男になる未来が見えない。
それに若いスーツの男も何年も経てば中年のサラリーマンのようになるのに”はしゃいでいる”その姿が目に余るからかもしれない。

しかしどうだろう、僕も何年か後には若いスーツの男になり、それから中年のサラリーマンになるんだろう。

でも未だにその未来は描けない。後二年。それだけすれば若いスーツの男に加われるのか?それとも…

もしかしたら地球の寿命は後二年なのかもしれない。


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