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夜風に触れる

布団の上でゴロゴロYouTubeを見るだけだった私に、無理なく続けられている趣味があります。散歩です。

散歩を趣味とカウントして良いのか微妙なラインですが、三日坊主常習犯の私が続けているので、趣味に入れても良いと思っています。

特に、夜10〜12時あたりにする散歩が好き。
昼間は暑くて歩くのも億劫だけど、夜ならいくらでも歩ける気がしちゃっている。不思議と足取りが軽い。
気が済むまで、2時間ずっと歩いていた日もある。知らない公園のブランコを漕ぐ日もある。家から程遠いコンビニで、ミルクティーを買って飲んだ日もある。
マリオがスター取った時みたいに無限に歩けちゃう。

あと、夜の更けた時間なら人通りもなくて気が楽だ。明るいところでは自分がどう見られてるかばかり気にしてしまうから。
メイクもしていないそのままの自分でいても、気を張らなくていいから。

真夜中を裸眼で歩くのも好き。0.1あるかないかの視力だけど、物がはっきり見えなくて安心する。暗闇に光るライトが全部丸くてぼんやりしているのが綺麗だ。
メガネやコンタクトをしていると、物がくっきり輪郭を帯びていることに疲れてしまう。曖昧でいたいと思う時もある。
ほんとは財布もスマホも、何も持たずに歩きたいけど、そうはいかないよね。


散歩してる間も考え事をしているのに、不思議と嫌なことは考えてない、気持ちがちょっと晴れやかだ。眠れなくてうじうじしながら考えてる時と全然違う。
部屋に篭っているだけでは滞っていた思考も、体を動かしているだけで、悪い思考を循環してくれているみたいで。
風に吹かれてなびく葉の音、たまに通る車のエンジン音やゆっくりコンクリートを踏み締める自分の足音に、ふっと緊張が解ける。

未熟な自分を掻き消したくて一生懸命頑張ってみたものの、すっかり充電切れになってしまった。
涼しい夜風が、そんな自分を優しく撫でる。
昼まで眠りこけてしまって、全く眠れなくても。昼に頑張れなくても、夜は受け入れてくれる、許してくれる、そんな気がしている。

夜に慰めてもらいたい、だからまた歩く。

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