vol.2 ターゲットを決める前に自社分析をしたほうがいい2つの理由
求人広告をつくるときには、最初にターゲットを設定するのが基本とされています。
ターゲット、つまり、どんな人材を採用するのかを明確にしておくわけですね。これ自体は正しいです。しかし「最初に」という部分はちょっと違うかなと。
最初にやるのは、自社分析です。
前回の投稿でも自社分析の必要性について書いてみましたが、今回は別の観点から説明してみたいと思います。(ほんとにしつこいですよね…自分でもよくわかってます。でもとっても大事なことなので、よかったらお付き合いください。)
求職者にとってのメリットがわからない!
たとえばこんな文章があります。
既存のクライアントへのルート営業をお任せします。
なんとなくわかったような、わからないような感じですよね。
既存ってなに? ルート営業ってなんだっけ? けっきょく何をするの? 読めば読むほど、よくわからなくなります。
わからなくなってしまう理由は、「具体性」と「求職者にとってのメリット」が書かれていないからなんですね。
具体性と求職者にとってのメリットを加えてみると、こんな文章になります。
自社サービス「〇〇」の提案、課題のヒアリング、アフターフォローをお任せします。サービスの提案やフォローを通して、お客さまの売り上げアップにつなげることが、営業の役割です。なお、提案先のお客さまは8割が、すでに長年お取り引きのあるクライアントで、飛び込みやテレアポなどはありません。先輩からの引き継ぎやサポートがあるので、未経験の方でもチャレンジしていただきやすい環境です。
これならどんな仕事をするのかをイメージできますし、「飛び込みやテレアポがない」「未経験でもチャレンジできる」というメリットも伝わります。求人広告ではこんな風に、求職者にとってのメリットを伝えることがとても大事です。
差別化できない!
シンプルさという意味ではいちばんわかりやすい、ハローワークの求人広告を引用してみます。
職種:内部事務及び定型的な窓口業務(東京支店)
求人区分:フルタイム
事業所名:株式会社〇〇銀行
就業場所:東京都中央区
仕事の内容:内部事務業務/データ入力(入力程度できれば可)、書類整理
雇用形態:嘱託
賃金:月給200,000円〜200,000円
就業時間:08時45分〜17時00分
休日:土日祝他
年間休日数:120日
このように最低限の情報だけを書いた求人広告を出すとどうなるか。ほとんどの求職者は、勤務地や給与、休日などいわゆる「待遇」と呼ばれる条件+自分が応募資格に該当するかどうかで応募を決めてしまいます。
そうなると、一番いい条件を出したところが勝ちます。
うちは月給30万円で高給だと思っていても、月給35万円の会社には負けます。応募前の段階で会社名で検索して、事業や仕事内容、口コミまでも調べるなんて求職者はほとんどいません。どんなにいい会社やおもしろい仕事であっても、求人広告に書かれている情報が「イケてない」と思われてしまえば、一瞬で画面をスクロール or 閉じるボタンを押されてしまいます。
つまり、条件だけを比較されるのは多くの会社にとって不利なんです。同じ土俵(条件)で戦う会社が少なければ少ないほど有利になります。そしてその「勝てる土俵」の多くは数値化できる条件ではなく、やりがいや雰囲気など言葉にしづらいものなんです。
ちなみに、もしこのケースで運良く自社で採用できたとしても、ほかに条件のいい会社が見つかればすぐに乗り換えられてしまいます。20代の若手など、どの会社も欲しがっている人材であればなおさらです。
いくら詳細なターゲットを設定しても、自社分析をしていなければターゲットに伝える内容がうすっぺらくなってしまいます。これでは元も子もありませんよね。
さて、そろそろ「自社分析をしなくちゃ…!」という気持ちになっていただけたでしょうか。いよいよ次回から、自社分析の方法をお伝えしていきたいと思います。
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