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コロナウィルス感染拡大の影響はあらゆるところに出てきている。陽性・陰性以前に発熱があっただけで受診できない事態もある。

要介護の利用者で、家族が車の運転ができないとか家の車に乗せられない、老々介護で介助ができないとか、家族対応が難しいケースでは介護タクシーを利用するのだけれど、熱がある方の乗車を拒否されることが出てきた。
緊急の場合には救急車だけれど、それほどではない。感染してる・してないなんて在宅では調べられないし、ただの風邪なのか肺炎・尿路感染、あるいは関節などの痛みからくるものなのか気のせいなのか・・・家族も判断できないし、ある程度の身体の状態が把握できないとサービスにも繋げられない。


在宅の診療をして下さる先生もいるけれど、全くの初診にはハードルが高い。紹介状を持って来いとか、一番最初は受診してからになる
本人の病状を診察していただく必要はあるから、医療に繋げたいんだけれど足がない。
でも、タクシーの事業者を責められない。感染者を乗せることのリスクはあるから。感染の疑いがあるだけでも断られたりする。場合によっては発熱外来の受診は車の中での待機になったりするし。

タクシーの件は一例だけれど、利用しているデイとかショートで感染者が出た場合、当然だけれど数日以上はそのサービスは止まるし、そこを利用していた方はやむなく自宅での対応。代替利用を検討するにも他の事業所からはお断りをされる。
事業所の立場としては、それも当然。施設がダメならヘルパーを呼べば良いってことも違う。ヘルパーの人材不足もあるし、既存の利用者ならともかく、初めて会う利用者にすぐ、適切な介助などできない。

介護者が感染したらどうする?ってことも問題だし、ヘルパーさんが感染したらどうする?って問題もある。ヘルパーの感染ってことになると、サービス提供した利用者全員に影響を及ぼす。
介護が必要な利用者を支援することが、私たちの責務だけれど、一方でその方を排除しなければならない状況でもある。一人を支援するために、他の人を危険に曝すのかって論理も成り立つ。本当に難しい判断になるし、大きな葛藤も生まれる。
いよいよ、自分の身近にも感染拡大の恐怖が迫っている。

幸い、自分が所属する事業所には、ケアマネが複数所属してるので皆で情報共有して知恵を出し合いながら対応してるけれど、薄氷の上を歩くような、祈るような毎日。