新谷仁美選手が格好良すぎる
新谷仁美選手を知っているだろうか?女子陸上競技の選手で駅伝の怪物ランナーとも呼ばれている。
私が初めて新谷選手を知ったのは年明けに実施される都道府県対抗駅伝だった。
各県が1つのチームとなり中学生から高校・大学社会人と世代を超えた襷リレーが行われるのと、普段は同じチームに所属している選手がライバルとして同じ区間を走る、同じチームの先輩後輩が同じ区間で競り合うのが面白くて年に1回の楽しみになっている。
そこで初めて新谷選手のことを見た。衝撃だった。
東京都のアンカーとしてエントリーされていた。
駅伝でも運動会のリレーでもアンカーに順番がまわってくる時にはある程度差がついてることが多い。一人数秒の遅れが積み重なりアンカーの順番がまわってきた時には正直ここから1位は狙えないなぁ、入賞目指して二、三人抜ければいい方だななんて思うくらい差がついてることだって多々ある。
それでも新谷選手は全く諦める素ぶりを見せずなんなら笑いながら自分の順番を待っていた。
ランナーたちは自分のペースを確認するために腕時計をつけるが新谷選手はつけない。だってそんなのつけたら重たいし前の選手に追いつくことしか考えていないから。
襷を受け取って他の人では考えられないペースで突っ込んでいく姿を見てびっくりした。だって失礼な話、後半バテてしまったらそこで順位を落とすリスクだってある。入賞ならばあと数人抜けばいいんだからそこまでハイペースで突っ込まなくてもいいはずなのに‥ここで新谷選手は入賞じゃなくて1位を狙ってることに気がついた。これだけ差があるのに?
アナウンサー曰く、一度怪我を理由に現役を引退していてその後は普通に事務の仕事をしていたらしい。5年のブランクを経て陸上の舞台に戻ってきた選手なのだ。
そんなことを言っている間にもごぼう抜きを繰り返し、1位が狙えるポジションまで迫っている。さっきは一人数秒の遅れがアンカーになると積み重なってるなんて言ってたけど、一人一人がなんとか前にくらいついた襷があってこそアンカーはゴールに、1位になれるのだと思った。
決して周りの選手が遅いわけではない、アンカー区間は実業団でエースを務めるような選手が沢山エントリーしている。そんな中、ブランクのある新谷選手が周りをぶち抜いて行くのである。
もう現実なのか?と疑いたくなるレベルで速かった。正直化け物だと思ったし、解説の方も新谷選手のことを後半は怪物としか呼んでなかった気がする。
その時は惜しくも1位には手が届かなかったけど、確か区間新をとっていたと思う。何よりインタビューで笑顔で話している姿がとても良かった。
私だったらあれだけの走りをしたら地上波では流せない顔になってしまうだろうに、新谷選手は走る前も走ってる時も走り終わった後もずっと楽しそうなのだ。駅伝の時なんか鬼ごっこしてるみたいだった、まぁ鬼に追われる側は本当に勘弁して欲しいと思っているのかもしれないけど。
笑顔で周りをぶち抜いて行く怪物、格好良すぎませんか?
私の大好きな選手で、私の憧れ、それが新谷選手です。