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結婚が人生の墓場なら人に勧めないでいただきたい

初めて訪れたそのお店は、カウンターに5人がやっと座れる狭さだった。
真っ白い煙と焦がした醤油の良い香り。
鉄板でホルモンを炒める店主。スタミナ定食というやつらしい。

どうやら私と夫以外は常連客のようだ。

店主が客2人に向かって、他の常連客の話題を振った。

「◯◯さん、スタミナ定食好きなのに食べられないんだって」
「え?なんで」
「スタミナ定食食べると、臭くて奥さんが一緒に寝てくれないんだって」
「は〜!可哀想!」
「結婚なんてするもんじゃねーよなー」
「俺結婚してなくて良かった!」

店主と客の会話

その後も、"嫁さん"に虐げられる男達の話題で盛り上がる。
店内で唯一の女性である私は、なんとも言えない気分で料理を食べていた。

私より上の世代の男性には顕著に、《結婚の愚痴を言う俺カッコイイ》みたいな価値観があるように感じる。

そんな会話を聞いている内に、母方の祖父の一周忌のことを思い出した。
一周忌には、母の従兄弟が来ていた。
私がこの人に会うのは初めてだったのだが、本当に近年稀に見る下品&失礼な男性で、この令和の時代の化石だなと思う程だった。

自分の妻の悪口を言って「結婚なんてするもんじゃね〜よな」と発言したり、祖父の性的な話をしたり…こんな短時間でこんなにも人を不快に出来るものなのかと驚いた。
母も叔父(母の弟)もその場では特に何も言っていなかったが、従兄弟のことを嫌っているということを後から知った。

私の従姉妹(母の弟の娘)は30代後半で、独身。
有名企業に勤めながら、海外旅行に行ったり様々な趣味を楽しんでいる素敵な女性。
年下だけれど、私は彼女に憧れている。

その子が到着する前に、叔父に向かって従兄弟が
「お前のところの娘、まだ結婚してないんだろ?」と話しかけた。
叔父は「そうなんだよ〜早く良い人見つけて欲しいんだけど」と答えたその時、丁度その子が到着した。

「お!噂をすれば、結婚してない娘ちゃん登場〜!」

下品従兄弟が発したこの言葉に、従姉妹は一瞬不快な表情を浮かべたものの、鍛え上げられた営業スマイルを浮かべて無言で流していた。

私は怒りに震えた。

『お前、さっきまで結婚生活の愚痴言いまくってたじゃん。
結婚なんてするもんじゃないんだろ?
じゃあなんで未婚をイジるんだよ。
結婚を勧めるなら結婚の幸せをかみしめて感謝しろ。
結婚が墓場なら人に勧めんな!』

私は当時、夫との再構築が絶望的になっていた時期だったので、余計に《結婚》というステータスでジャッジされることに嫌悪感を抱いていた。
そもそも「結婚して安心させて」という親世代の価値観は嫌なのだけれど、文句を言いながら《結婚すべし》という姿勢なのが本当に心底嫌だった。

でもその場にいる全員が、この場をどうにか穏やかに過ごせるようにスルースキルを発動しているし、そもそも母・叔父と従兄弟の関係性を私は全く知らないので、怒りは心の内だけに留めていた。


ここまで極端な話じゃ無いとしても、普段結婚の愚痴ばっかり言ってるくせに結婚を勧めてくる人は多い。

私は結婚自体は別に良いものでも悪いものでもないと思ってる。
捉え方は人それぞれ違って良いと思っている。
ただ、矛盾が本当に嫌デス。
意見を一貫させてくれ…


…ただの思い出し愚痴noteになってしまった。



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