アナログな暖房
九州といえどもいつまでも暖かいことはなく、冬が近づいてくるのと共に、だんだんと寒くなる。
寒さを好む好まないはさておき、寒くなってくると自然界の生き物は活動を止めて休眠へと入ってゆく。
夏にはあれだけ勢力を誇っていた背の高い雑草も休眠に入り、今は背の低い冬の草へと生え変わっている。
夏の時期には「またか」と、うんざりするほど草刈機を持ちだしては繰り返し草を刈ったが、それもしばらくはお休み。
全く雑草が成長しないわけではないが、夏のそれとは比べるまでもない。実に大人しいものだ。
草刈機の出番が少なくなってくると登場するのが暖房機器。これがないと冬は越せない。
昨今の燃料事情を見ていると使うのに少々気が引けるのだが、使わないわけにはいかず、誰かどうにかして欲しいと、切に願う。
石油ストーブに還る
石油ファンヒーターが便利で使っていたのだが、今年から石油ストーブに戻すことにした。
タンク容量を比べてもわかるように、石油ファンヒーターは燃料を食う。頻繁に給油せずに済むよう、どうしても容量を確保せねばいかんのだろう。タンクが大きいし、重い。
それがまず1つ目の理由。
そして2つ目。
石油ファンヒーターを使っていて違和感というか、何だか薄ら寒い。
結論から言うと "輻射熱" の恩恵の違いであった。
石油ストーブは輻射熱を正面方向に向かって放出し続けているせいか、焚き火にあたっている暖かみを感じることができる。
温まった空気が天井付近に溜まる問題はサーキュレーターが解決してくれる。
サーキュレーターを使い始めの頃は特に母親が懐疑的で、「そんなの意味があるのかね」と疑っていた。
それを証明したのが神棚に上げられていた榊で、冬場になると頻繁に枯れていた。暖房器具を使う時期になると枯れる。
そこにサーキュレーターである。サーキュレーターで空気を循環させることで天井付近に溜まる熱が部屋全体に行き渡り、天井付くにあった榊が枯れることはなくなった。
論より証拠。今では母親が進んでサーキュレーターを使うようになったくらいだ。
ヤカンが沸く音
田舎の夜なんて物音がほとんどすることがなく、TVを消してしまえばヤカンが沸く音が優しく響く。
『シュンシュン、コトコト。』
部屋を加湿するのにも一役買ってくれ、けっこう重宝する。
ストーブに乗せたヤカンが沸くのにそれほど時間を感じない。今すぐに使おうとするお湯を待つのと、特に使う予定もないお湯とでは体感時間がまるで違う。
ー 人間の感覚とは不思議でわがまま、つくづくいい加減なものだと思う。 ー
ストーブを点け続けているとお湯は沸き続けるので、とても使い切れない。ポットにも限界がくる。
そこで次にお湯の向かう先は洗い桶。そこ入れ、食器を洗うのに使う。
色々あって
エアコンは手軽で便利だが、なにか温度的な話ではないところで "寒さ" を感じてしまう。
ストーブには子供の頃の体験があり、いわゆる "思い出補正" され、良いものだと思い込んでいるだけかもしれない。
それでもなんとなくストーブの暖かみのほうが落ち着くのは、歳を取ったせいなのかもしれない。