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「人間不信」という名の警戒心
昔から、大人数の中で話をするのが苦手だった。それは今も変わらなくて、たぶんきっとこれから先ずっと、
なんでこんな性格になってしまったのか。時々自分を呪いたくなるときもある。
内向的な自分の性格を変えようと興味の湧いたトークイベントやパーティなど、大人数が集まる場所に足を運んだこともたくさんある。
そういう日は、少しの達成感とは裏腹に膨大な疲労感に襲われる。例えるならマラソン選手がフルマラソンを完走し終えた後のあの感じ。
大袈裟だとつっこまれるかもしれないが、私にとって大勢の知らない人たちが集まる環境に行くことは42.195kmよりも遥かに険しい道のりなのだ。
今でも頭の引き出しの奥底に眠っている記憶。小学3年生の頃、まん丸でぷくぷくだった私は2つ上の小学5年生の男の子に執拗にいじめられていた。
休み時間、「こおりおに」をやろうとクラスのみんなと体育館にむかう。すると待ってたと言わんばかりに私の目の前に現れる男の子。
小学5年生にしては身体がとても大きかったので、すごく年上に感じて怖かったんだと思う。
「おい、でぶ。お前走れんのか?」
心無い言葉の矢が私の心臓をグッサグサに刺す。
はじめの頃はいちいち泣いていたけどとある日を境に、気にしないようにすることが出来るようになった。
人間って強い
でも、相手だってそのまま引き下がるわけもなく日に日にグレードが増す。
放課後、掃除の班は学年順に縦割りで組まれた。奇しくも私はその先輩と同じ班になってしまったのだ。
「うわ、お前と一緒かよ。」
彼がつぶやく。心の中で「それはこっちのセリフだよ」と思いつつも、
「よろしくお願いします」
とおじぎする。
その態度が気に入らなかったのか、思いっきりバケツを蹴り上げる。私の顔の横を通って綺麗に階段にぶつかる。
怖くて震える足を必死に地面に擦りつけて倒れないように踏ん張った。
その日から陰湿ないじめがはじまった
「学校に行きたくないな」という気持ちと、「両親を心配させたくない」という気持ちが毎日せめぎあった。
そんなある日、転機が訪れた
それが「バスケットボール」との出会い。私はその世界にどっぷりとはまった。いつの間にか体も痩せて、気持ちも強くなっていた。
そして、いじめていた男の子も私が試合で活躍するたびに態度が少しずつ変わっていったのだ。
気がついたらチームのベストメンバーに入り、6年生になった頃にはキャプテンとしてチームを引っ張る立場になっていた。
全県大会ベスト4、東北大会ブロック優勝という誇らしい成績に加え秋田県の最優秀選手ベスト5という誇らしい賞ももらえた。
この頃から、少しずつ私の内気な性格は変わり始めていた。しかしそれでもまだ、しこりがある。
それはきっとこの先も一生とれることのない後遺症として背負っていくものなのかもしれない。
だけど、それでいい。
「人間不信」という名の警戒心を持つことは、この悪も善も入り組んで複雑に交わった世界を生き抜くためには必要なこと。
過去がどうであれ、今の自分がすべて。
過去が積み重なって今の自分ができてるんだから悔やんだって仕方ない。
だから今日も、内向的な自分を変えたくて
未知の世界に足を踏み入れるんだ
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