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このキミョーな山は何なんだ?!:群馬県南西部山間地域【バーチャル観光vol.17】
群馬県の南西部山間地域は、一時期(約2000万年前~1600万年前)は平穏な海でしたが、その後は一変して火山活動が頻発した地域です。
その中でも「何じゃこりゃ??」って山があるので、今回はそれを見てみましょう♬
Where is this?
スミマセン(笑)
でもたまに、英語使いたくなりません??
ならないかな(;^_^A
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はい!群馬県は~~、ココ!!
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スーパー地形(カシミール3D)より抜粋した画像をもとに筆者作成。
なおカシミール3Dは元データとして国土地理院の「電子国土」を使っているそうです(出典:国土地理院ウェブサイト)
※トップ画像や以下の地形・地図画像すべて引用もとは同じです。
関東地方の北西部に位置していて、長野県の東隣です。
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南西部山間地域は上図の⑧地域。
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今回は安中市・富岡市・下仁田町が舞台です。
どんな山だ?
では行ってみましょう!
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全体的にゴツゴツした雰囲気ですよね。
北東の方をアップにしてみましょう。
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実は前回、何の気なしに拡大してみた地域が、今回の舞台でした(笑)
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平面図で見る限りはイマイチ変わった雰囲気は見えませんが、地形が細かく、小刻みに凹凸が激しいかな?という印象は受けますよね。
アクセス
突然ですが(;^_^A
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・鉄 道:JR信越本線 横川駅(赤丸)で下車
・自動車:上信越自動車道 松井田妙義IC(青丸)からおりて一般道へ
これで山の名前が分かりましたね(笑)
そう、妙義山です!
有名な山なので実物を見た人は沢山いると思いますが、ちょこっとお付き合い下さい。
3D画像
では行きましょう!
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右手に見える緑の線が上信越自動車道です。
左に見える妙義山、やはり、かなりゴツゴツした雰囲気です。
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手前側、かなり切り立っていますね。
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こ、これは!!
特に頂上付近のトンガリ具合、すごいです!
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いやぁ・・なかなかにスゴイかたちの山ですよね!
なぜ??
私自身も、このキミョーな妙義山がなぜこうなったのか?疑問に思っていました。詳しいことは分からずとも、最低限言えることは以下の2つです。
・溶岩や粒子の大きい火山砕屑岩は硬くて侵食に強いため、切り立った崖など変わった地形をつくりやすい。
・特に古い火山は侵食が進み、また地層が変形して傾いたりしてるため、さらに変わった地形をつくりやすい。
そしてネットで探してみたら、最近、妙義山を詳しく調査した論文がありました!!
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妙義山の全景と地質構造(妙義団体研究グループ,2020より)
これは、かなり詳しく調べています。すごいです。
上が妙義山の全域を撮影した写真で、下が地層の傾きを図示しています。
なんだか随分バラバラですよね??
そして左の山なんて、ほぼ垂直になってますよ!!
妙義山はカルデラだった??
と言っても、阿蘇のような大カルデラではなさそうですが、興味を惹かれる話ですよね。
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妙義カルデラの形成プロセス①(妙義団体研究グループ,2020より)
研究の結果、妙義山は約600~500万年前に噴火した火山のようです。
上図のように複数の火口を持った火山で、葉っぱの化石などが見つかっていて、火山の大部分は陸上だったと考えられています。
そして火山活動の途中で、地下に出来た空洞が原因で陥没します。
このとき、上図のように火山体の一部が落ち込んで傾き、一部は90度も回転しています。
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妙義カルデラの形成プロセス①(妙義団体研究グループ,2020より)
そして、現在に至ります。
やはり地層が傾いたことで、切り立った崖や尖がった痩せ尾根がつくられたのでしょう。もし陥没せず地層が水平に近い状態だったなら、台地になっていたのかもしれません。
今回は以上となります。
お読みいただきありがとうございました。
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参考文献
妙義団体研究グループ(2020)群馬県西部の妙義山域における後期中新世火山層序と陥没構造.地球科学74巻,p.21 ~ 38.