見出し画像

このキミョーな山は何なんだ?!:群馬県南西部山間地域【バーチャル観光vol.17】

群馬県の南西部山間地域は、一時期(約2000万年前~1600万年前)は平穏な海でしたが、その後は一変して火山活動が頻発した地域です。
その中でも「何じゃこりゃ??」って山があるので、今回はそれを見てみましょう♬

Where is this?

スミマセン(笑)
でもたまに、英語使いたくなりません??
ならないかな(;^_^A

無題92_20210808160556

はい!群馬県は~~、ココ!!

10_周辺都道府県_01

スーパー地形(カシミール3D)より抜粋した画像をもとに筆者作成。
なおカシミール3Dは元データとして国土地理院の「電子国土」を使っているそうです(出典:国土地理院ウェブサイト
※トップ画像や以下の地形・地図画像すべて引用もとは同じです。

関東地方の北西部に位置していて、長野県の東隣です。

10_地形区分_01

南西部山間地域は上図の地域。

1008_地域市町村_02

今回は安中市・富岡市・下仁田町が舞台です。


どんな山だ?

では行ってみましょう!

画像5

全体的にゴツゴツした雰囲気ですよね。
北東の方をアップにしてみましょう。

画像6
画像7

実は前回、何の気なしに拡大してみた地域が、今回の舞台でした(笑)

画像8

平面図で見る限りはイマイチ変わった雰囲気は見えませんが、地形が細かく、小刻みに凹凸が激しいかな?という印象は受けますよね。


アクセス

突然ですが(;^_^A

100801_アクセス

・鉄 道:JR信越本線 横川駅(赤丸)で下車
・自動車:上信越自動車道 松井田妙義IC(青丸)からおりて一般道へ

これで山の名前が分かりましたね(笑)
そう、妙義山です!
有名な山なので実物を見た人は沢山いると思いますが、ちょこっとお付き合い下さい。


3D画像

では行きましょう!

画像10

右手に見える緑の線が上信越自動車道です。
左に見える妙義山、やはり、かなりゴツゴツした雰囲気です。

画像11

手前側、かなり切り立っていますね。

画像12

こ、これは!!
特に頂上付近のトンガリ具合、すごいです!

画像13
画像14
画像15
画像16
画像17

いやぁ・・なかなかにスゴイかたちの山ですよね!


なぜ??

私自身も、このキミョーな妙義山がなぜこうなったのか?疑問に思っていました。詳しいことは分からずとも、最低限言えることは以下の2つです。

・溶岩や粒子の大きい火山砕屑岩は硬くて侵食に強いため、切り立った崖など変わった地形をつくりやすい。
・特に古い火山は侵食が進み、また地層が変形して傾いたりしてるため、さらに変わった地形をつくりやすい。

そしてネットで探してみたら、最近、妙義山を詳しく調査した論文がありました!!

妙義団体研究グループ_01

妙義山の全景と地質構造(妙義団体研究グループ,2020より)

これは、かなり詳しく調べています。すごいです。
上が妙義山の全域を撮影した写真で、下が地層の傾きを図示しています。
なんだか随分バラバラですよね??
そして左の山なんて、ほぼ垂直になってますよ!!


妙義山はカルデラだった??

と言っても、阿蘇のような大カルデラではなさそうですが、興味を惹かれる話ですよね。

妙義団体研究グループ_02._1jpg

妙義カルデラの形成プロセス①(妙義団体研究グループ,2020より)

研究の結果、妙義山は約600~500万年前に噴火した火山のようです。
上図のように複数の火口を持った火山で、葉っぱの化石などが見つかっていて、火山の大部分は陸上だったと考えられています。
そして火山活動の途中で、地下に出来た空洞が原因で陥没します。

このとき、上図のように火山体の一部が落ち込んで傾き、一部は90度も回転しています。

妙義団体研究グループ_02._2jpg

妙義カルデラの形成プロセス①(妙義団体研究グループ,2020より)

そして、現在に至ります。
やはり地層が傾いたことで、切り立った崖や尖がった痩せ尾根がつくられたのでしょう。もし陥没せず地層が水平に近い状態だったなら、台地になっていたのかもしれません。


今回は以上となります。
お読みいただきありがとうございました。


この地域の次の記事はコチラ👇


参考文献

妙義団体研究グループ(2020)群馬県西部の妙義山域における後期中新世火山層序と陥没構造.地球科学74巻,p.21 ~ 38.

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?