【岩脈が脈々と・・】ゆるく楽しむ月曜地質学:2024年11月11日号
11月も3分の1が終わり、寒い日も増えてきました。
昨日はスタッドレスタイヤの交換作業を予約したのですが、既に埋まっており、12月1日の18時で何とか予約できました(;^_^A
平日は年末までバタバタしそうなので土日限定での予約で、1日以降だと20日まで空いていないと言われました。スゴイ。
皆さんもタイヤ交換、お忘れなく。
綺麗な岩脈、見つけたよ
岩脈って何だ?と思った人も多いでしょう。
英語ではdyke(ダイク)と呼ばれ、地盤の割れ目に入り込んだマグマが冷えて固まったものを言います。
マグマの通り道なので「火道」と呼ばれることも。
ただし広義の岩脈は中身がマグマだけではないので「岩脈=火道」とは一概には言えません。
と、講釈はこれくらいにして、モノをお見せしましょう。
ジャーン!これです!!
いやぁ、カッコイイ!!!
え?どこが??
では説明していきましょう。
赤点線に挟まれた範囲が岩脈です。
岩脈はおそらく安山岩。
右上は侵食で欠けてしまっています。
大きさは高さ約3m、最大幅1mちょっとでしょうか。
左右は火山礫凝灰岩(小さい火山岩片と火山灰質粒子でできた岩石)で、岩脈が貫入(かんにゅう:入り込むこと)する前からあったものです。
つまり左右の火山礫凝灰岩の方が古く、岩脈が新しい地質になります。
これが岩脈だと言える理由は2つあります。
1つは柱状節理です。
柱状節理とは、景勝地の岩場に見られる「まるで鉛筆を束ねたかのような割れ目」のことです。
冷却節理の1つで、冷却面に対して垂直に形成されます。
青線が岩脈と火山礫凝灰岩との境界面であり、つまり冷却面です。
赤点線は冷却面に対して垂直方向に入っていますよね。
これが柱状節理です。
もう1つの理由は冷却縁(れいきゃくえん)です。
冷却縁とは冷却面沿いにできる薄い皮のようなものです。
赤丸の箇所がそうなのですが、分かるでしょうか?
拡大してみましょう。
青で囲った範囲が冷却縁です。
赤点線の柱状節理が青線で途切れていますよね。
冷却縁は外部に接触しているため最初に急激に冷え固まり、その後に内部がゆっくり冷えて柱状節理ができます。
そのため冷却縁にまで柱状節理が達することはありません。
しかしこの場合は上の方が途切れ、柱状節理が冷却節理を切っているように見えます。
これはおそらく、上の方だけ新たなマグマが入るなどの理由で冷却せず、急冷縁にならなかったのでしょう。
その後、内部と一緒に冷え、冷却面にまで柱状節理が形成されたのだと考えられます。
そのままの写真です。
上の図と見比べてみて下さい。
もう1度、図なしの写真です。
どうでしょうか?
意味が分かってくると印象が変わってくると思います。
いやぁ、カッコイイですよね。
え?
「へ~そうなんだ~とは思ったけど、カッコイイとは思わない」
ですって?
まぁまぁ、そう言わずに(笑)
なお、この「チゴキ崎」は八峰白神ジオパークのジオサイトの1つです。
チゴキ崎はゴツゴツした岩場が広がっており、まるでダンジョンのようなダイナミックな場所で非常にワクワクします。
また今回紹介した以外に無数の岩脈があるそうです。
みなさんもぜひ、遊びに行ってみてはいかがでしょうか?
(※広告料いただいているわけではないです笑)
今週の予告
先週は地質調査会社の方の仕事も立て込んでいて、まだ今週分の記事は書けていません。
ただ出張の疲労が強くても寝込むことはなかったので、以前と比べるとだいぶ回復してきたなぁと、しみじみ感じています。
今週も含め、しばらくは地質調査の仕事が忙しい状況がつづきますが、note記事執筆も併用して進めたいと考えております。
以下の目標で頑張りますが、もし投稿されなかったら「大変だったんだな」と思っていただければ幸いです(;^_^A
では、今週もよろしくお願いいたします。