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ゴーゴー!江の川!!:島根県北東部山間地域【流域を考える旅vol.13】
生まれも育ちも東北地方の私にとっては、中国地方は知らないことばかりです。例えば、江の川(ごうのかわ:江川とも)。
名前は知っていました。
現野球解説者、元中日ドラゴンズ監督の谷繁元信氏の出身高校が江の川高校(現在は石見智翠館高等学校)と言うのがきっかけです(笑)
江の川高校は島根県の高校ですので「島根県に江の川という川が流れているんだな」という程度の認識でした。
しかし詳しく見ていくと、なかなかに面白い河川だったのです!
場所の確認
あらためて場所を確認しましょう。
スーパー地形(カシミール3D)より抜粋した画像をもとに筆者作成。
なおカシミール3Dは元データとして国土地理院の「電子国土」を使っているそうです(出典:国土地理院ウェブサイト)
※トップ画像や以下の地形・地図画像すべて引用もとは同じです。
島根県北東部の山間地域は図の緑色に着色した地域です。
8つの市町の一部地域になります。
今回のテーマとなる江の川は、北東部山間地域では南西部の美郷町を流れています。
三瓶山の南に深く刻まれた谷地形があります。
しかも大きく「く」の字に屈曲していて目立ちますよね。
図示してみました。下流が西側で日本海に注いでいます。
江の川の概要
江の川は大きな河川で、長さは194kmで日本全国で12位。流域面積は3,900km2で同16位。中国地方では最大の河川です。
そして中国地方では唯一、中国山地を貫流する先行河川(せんこうかせん)とのこと(ウィキペディアより)。
先行河川とは、ある地域の地形が出来る前から流れ続けている河川のことです。
先行河川イメージ図(筆者作成)
つまり、こういうことです。
上の図の①のように流れる河川があるとします。
この地域に矢印のような圧縮する力が加わり、点線の範囲が盛り上がって山地ができるとしましょう。
この時、例えば盛り上がる速度が1年で1mに対し河川が浸食する速度が1年で50cmだけだと、山がどんどん高くなり川は分断されます。これが②です。
一方、川の浸食する速度が1年で1m以上の場合は、山が盛り上がった分、川が削ってしまうのでプラスマイナスゼロで河川はもとのまま流れ続けます。
山は高くなりますが、河川の部分だけ削られて深い谷ができます。これが先行河川で③の場合です。
つまり江の川は中国山地が盛り上がり始める前から流れていて、浸食力が強いために、盛り上がる中国山地を削りながら流れ続けた河川ということです。力強くて逞しいイメージですね。
そんな江の川はどんな川なのか?上流までたどってみましょう。
今回は北東部山間地域の範囲をこえて、江の川をざっと巡ってみます!
江の川へゴー!
行きましょう!
下流は西側で、江津市(ごうつし)で日本海に達しています。
山を深く削り混んでいる様子が分かります。
地形だけを見ると上流域のようなイメージですが、江の川全体で見れば、ここはまだまだ下流域です。
上流を目指し、南南東を見ていきます。
深いV字谷が続きます。
ここで大きく曲がって流路は東西方向になります。
ところどころ見える直線状の地形、気になりますね。でも今回は無視して突っ走ってしまいます!
むむ??
急に開けた地形になりましたね。
この三角形のようなカタチでとんがった盆地状のなだらかな地形、気になります!
ここは広島県三次市(みよしし)。
既に中国山地を突っ切って広島県に来てたんですね。
沢山の河川が合流してますが、江の川の上流は南西です。
江の川本流は三次盆地をかするような感じで、上流は再びV字谷っぽくなってきました。
と思ったら、また開けた地形になりました。
上流にもまだまだ開けた地形が続きます。
川幅を見ると西側が本流だと思いますが、東も気になりませんか?
なんだか違和感を感じませんか?
南の方まで谷幅が広いままで、別の川に合流してるように見えます。
ここはやはり谷中分水界(こくちゅうぶんすいかい)でした。詳しくはまた別の機会にして、本流に戻ります!
(※谷中分水界についてはコチラとコチラをどうぞ。)
本流は南西方面です!
やはり江の川と書いてありますね。
また分岐。とりあえず南を見てみましょう。
って、え???
瀬戸内海になっちゃいました(;^_^A
戻りましょう。
広い谷地形がブツリと途切れ、別の川になっていますね。
これは凄いですよね。是非、行ってみたい。
ここの詳細も、また別の機会に。
戻ります。
本流は北西でした。
またしても、開けた場所で支流が沢山(;^_^A
引いて見ました。北西の方が源流です。
複雑な地形でパッと見た感じではどう流れているか分かりにくいですね。
ここが最上流の地域です。
島根県内では深く刻まれたV字谷が多い一方で、広島県では開けた谷も多かったりなど、江の川は様々な顔を持ちます。
色々と気になる地形については、また次の機会にでも。
お読みいただき、ありがとうございました。