溶岩の上に住む人々:箱根山へGO!part2:南西部山間地域【バーチャル観光vol.13-2】
神奈川県南西部に堂々とそびえる箱根火山!
カルデラや溶岩円頂丘(溶岩ドーム)、カルデラ湖など雄大で面白い地形が盛り沢山でした。
今回は逆に北回りで見ていきましょう!
前回記事はコチラです。
再確認
この記事から見る人のためにも場所を再確認しましょう。
「分かってるよ」って方は飛ばしちゃってください♬
スーパー地形(カシミール3D)より抜粋した画像をもとに筆者作成。
なおカシミール3Dは元データとして国土地理院の「電子国土」を使っているそうです(出典:国土地理院ウェブサイト)
※トップ画像や以下の地形・地図画像すべて引用もとは同じです。
神奈川県と周囲の都道府県との位置関係はこんな感じです♬
神奈川県の南西部山間地域は上図の⑨の地域です。
今回は箱根町の北部をまわってみましょう。
バーチャル観光
今回もスタート地点は同じです。
国道1号線に乗って、まずは南西へ!
箱根登山鉄道線の風祭駅(北の赤丸)や入生田駅(西の赤丸)が目印です。
前回はまっすぐ南西へ行きましたが、今回は途中で右へ曲がったところからスタートです。
前方に見える2本の谷のうち、右側の早川上流方面へ行きましょう。
右側の谷の方が蛇行の幅が大きく、谷が深めで険しそうです。
でも奥の方には緩やかな地形が広がっていて人が沢山住んでいそうです。
手前にも台地っぽい場所があり、集落がありそうです。
徐々にズーム!
川沿いの絶壁の上に平坦地が広がっています。お寺がありますし古くから人が住んでいたのでしょうね。
周囲は険しいのに・・・。
「ちょっとでも平坦な土地があれば住んでやるぜ!」という日本人の逞しさを感じます。
空中写真をかぶせました。
手前の台地も奥の緩やかな地形も栄えているのが分かりますね。
ここもやはり古い溶岩(黄色)の上に新しい溶岩(茶色)が載っています。
でも手前側の地域は平坦地は一部なので溶岩台地かは良く分かりません。
さらに奥の方まで進むと、緩やかな傾斜で平坦な地形が広がっています!
やはり多くの人々が住んでいるようです。
左手の方は特に、溶岩がドロドロ~と流れてきたような跡に見えませんか?
拡大してみました。どうでしょう?
こういう時は地形図だけの方が見えやすいかも?
図示してみました。
特に真ん中の実線で囲った範囲はマグマのドロドロ感が出てますねぇ。
やはり一面が安山岩溶岩類(茶色)でした。まさに溶岩台地。
また対岸の平坦地は段丘堆積物(薄い緑)の台地だったようです。
また奥の水色はカルデラ湖の堆積物だと思われます。
いやぁ、すごい。こんなにたくさんの人たちが溶岩の上に住んでいるんですね。
さらに奥の方へ・・。
左の奥の方に芦ノ湖が見えてきました。
奥に広がる平坦地もかつては湖だったと考えられます。
溶岩円頂丘らしき山も見えますね。
真ん中が小塚山(こづかやま)、その左奥が台ヶ岳(だいがたけ)です。
どちらも約4万年前に噴出した安山岩質の溶岩円頂丘です。
さらに奥へ!
平坦な土地にたくさんの川が集まり、湿地もあります。
湖の幸があり水が豊富で平坦な土地。しかも温泉も出る。
こりゃ人が住みますよね。
たまに火山の災害があっても、恵みの方が大きいと考えたのが、今ここに住んでる人達のご先祖さまです。
ジワジワと近づく芦ノ湖、いかがでしたか?
引いて見ました。
左手には中央火口丘があります。
これは??
何やら建物がありそうな??
ここは駒ヶ岳。約2~3万年前に噴出した溶岩円頂丘です。
最高峰ではないですが箱根の象徴的な山のようで、山頂には神社があるんですね。しかも何とロープウェーで行けるのだとか!!
これは是非、行ってみたい!
いかがでしたか?
今回は北回りで箱根を探索してみました。
いかにもドロドロっと流れた雰囲気の溶岩台地やカルデラ内の平地に多くの人が暮らしています。
やはり、災害に負けず生き延びる日本人は逞しいですよね。
お読みいただき、ありがとうございました。
参考文献
長井雅史・高橋正樹(2008) 箱根火山の地質と形成史.神奈川博調査研報(自然)2008,13,p25-42.