【"後退侵食"を図で解説】ゆるく楽しむ日曜地質学:2024年10月27日号
10月もついに終わってしまいます。
今年も残すところ、あと2か月。
日に日に気温が下がっていく季節となりますが、身体に気を付けて頑張っていきましょう。
後退侵食を図で見る
「都道府県シリーズ」では、現在は岐阜県の武儀川の支流にフォーカスしてお話ししているところです。
その中で「後退侵食」と言う言葉が出てきましたので、今回は図入りで説明したいと思います。
文章だけで分かる人も多いとは思いますが、図で見る方がイメージしやすいですよね。
「後退侵食」とは、普段は水が流れていないような谷の源頭部が崩れることで、谷頭(たにがしら)が後退していく現象のことです。
今にも後退侵食が起きそうな谷を赤点線で囲みました。
この谷は等高線のV字・・・つまり谷地形が尾根近くまで迫っています。
谷地形は青線でなぞっていますので、それを目印に見れば分かるかと思います。おそらくこれは、湧水点が尾根近くにあるためかと考えられます。
一方、東隣の谷はV字が低いところまでで、その上は等高線の曲がりは緩やかです。
ここで源頭部付近を見比べてみると、西の谷の黄丸と東の谷の黄四角では、明らかに西の黄〇の方が等高線が狭く、急斜面です。
こういった箇所が豪雨や地震をきっかけとして崩れると、谷が矢印の方向へ広がります。
これが水が流れる方向と逆であるため、後退侵食と呼ばれています。
なお黄丸のすぐ後ろは別の谷であり、赤点線の谷の後退侵食の方がスピードが速い場合は、北隣の谷の上流部が奪われることになりそうです。
今週の予告
先週は「日本の歴史と地形・地質」の執筆が進まず投稿できませんでした。
体調が悪かったというわけではなく「下調べ」に思った以上に時間がかかってしまったのが原因です。
その前に「長篠の戦い」以後、しばらく「お城と地形地質」が続いていたのは、どの合戦をテーマにしようか悩んでいたと言うのもありました。
時系列で考えると「長篠の戦い」までになると、戦国時代のクライマックスに近づいてしまうため、ここでいったん、信長が強くなっていくまでの過程を追ってみようと、ネットで色々調べていました。
ところがこれがまた、色々な事情や勢力が入り混じっていて、ウィキペディアだけでは詳細が分からず、様々なサイトの情報をつなぎ合わせる必要があったのです。
先週、やっと自分の頭の中でスッキリつながり、もう書けるだろうと思いましたが、もう一歩足りなかったようです(;^_^A
しかし週末にやっと書き進めることができましたので、今週は無事に投稿できそうです。
では、今週もよろしくお願いいたします。