太古の大陸のカケラで出来てます:北東部山間地域【都道府県シリーズvol.24福岡県part1】
ソフトバンクホークスの本拠地である福岡県。
(※その通りですが、このnote的には何か違う、笑)
地形的特徴から12の地域に分けられます(※筆者個人の見解です)。
今回は北東部の山間地域の地形と地質を紹介します!
場所は?
ではテーマとなる地域の場所はどこ?
北東部山間地域は上図の③の地域です。
ご覧の7の市町村の一部の地域になります。
地形を見る
では地形を見ていきましょう。
画像の中央部では、南北方向に山地がのび、そこからやや標高の高い山地が北東方向にのびています。
一部には台地のような地形も見えます。
③地域の範囲はこんな感じです。
東西の山地の間の谷は南北方向にまっすぐ続いているのも気になります。
こんな感じです。
地質図を見る
では地質図を見てみましょう。
決して広い範囲ではないですが、カラフルですね。
パッと見た感じで色々な地質がありそうです。
拡大してみると、さきほどの南北方向の谷地形は断層のようです。
また山地の西側の縁辺部にも断層がありますね。
赤線で囲った範囲です。
これらは活断層で、東が小倉東断層、西が福知山断層帯と呼ばれています。
大地の成り立ち
ではこの地域の歴史を見ていきましょう。
大きく分けて3つの時代に分けられます。
〇ステージ1:古生代石炭紀中期~ペルム紀末
まだ恐竜が誕生していない約3億3千万年~2億5千万年前。
海底に堆積した泥岩やチャート(プランクトンの殻が深海に堆積)、石灰岩(サンゴ礁など)、そして海底に噴出した玄武岩溶岩類がプレート運動で運ばれて大陸のヘリにペタペタと貼り付きます。
いわゆる付加体ですね。
赤で囲った範囲内の地質です。
灰緑が泥岩、小さく点在したオレンジがチャート、青が石灰岩、緑色が玄武岩です。
〇ステージ2:中生代白亜紀前期~中期
時代は飛んで約1億年後の約1億4千万年~1億年前、「ステージ1」の地層は大陸の一部として陸地になり、それを土台として新しい地層が堆積します。
地質は礫岩や砂岩・泥岩で化石が色々と見つかっています。
貝類や魚類の化石が見つかっており、魚類が淡水魚とのことで、湖だったと考えられています。
赤で囲った範囲の薄緑が砂岩・泥岩。
赤で囲った範囲の南端に東西にのびる薄茶色が礫岩です。
そしてそのすぐ後に火山活動が起こります。
マグマは玄武岩~安山岩質で、紫色が地下深部でゆっくり冷えた斑レイ岩。
こげ茶色は浅めの地下で冷えた玄武岩~安山岩の貫入岩。
茶色が地上に噴出した玄武岩~安山岩の溶岩類です。
北の方が当時の「地上」なのですね。
〇ステージ3:中生代白亜紀中期~後期
玄武岩~安山岩の火山活動の後の約1億年~8400万年前、今度はドロドロの花崗岩質マグマが地下深部に貫入し、ゆっくり冷えて花崗岩や花崗閃緑岩になります。
赤で囲ったピンクや濃い目のピンクです。
その後は他の地域と同様に大陸を離れ、現在に至ります。
以上、福岡県の北東部山間地域は太古の大陸のカケラでできているのですね。
お読みいただき、ありがとうございました。
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参考文献
中江 訓・尾崎正紀・太田正道・籔本美孝・松浦浩久・富田宰臣(1998) 小倉地域の地質.地域地質研究報告 (5万分の 1 地質図幅),地質調査所,126p.
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