【地層が曲がるとどう見える?】ゆるく楽しむ日曜地質学:2024年9月1日号
とうとう9月に入り、仙台市では徐々に涼しくなってきています。
台風10号が強い勢力と言うことで構えていたのですが、東北まで来る前に熱帯低気圧になり、進行ルートも迷走しているようです。
西日本を中心に多くの被害が出ていますが、東海や関東を迷走する間に被害を拡大させないことを祈るばかりです。
褶曲とは?
都道府県シリーズでは岐阜県山県市についてのお話が続いていますが、その中で「褶曲(しゅうきょく)」と言う専門用語が出てきました。
さて褶曲とは、どういうものなのでしょうか?
褶曲とは、ズバリ上図のように、地層が曲がっていることを言います。
図のように、上に凸な部分を背斜(はいしゃ)、下に凸な部分を向斜(こうしゃ)と言います。
また曲がりの中心部を「軸(じく)」と言います。
図で言えば赤線が軸で、背斜の軸を背斜軸と言い、地質図では外向きの矢印、向斜軸は内向きの矢印で表されます。
なお褶曲が地質図ではどう見えるか?については、上図の上面に表れていますが、これは「縞々」ですよね。
しかし都道府県シリーズでの説明では、上図の「V字」を褶曲と言いました。実はこれ、「軸が傾いている場合」の見え方なんです。
曲線は図示が難しいためV字で描いています。この場合は向斜です。
①は軸と地平面が平行の場合。この場合はVの両翼と地面が交わるところで平行の縞々になります。
これが②のように軸が手前傾いている場合は、奥側のVが浮いている分、両翼が狭くなります。そのため、地面との交線は平行ではなく、奥側が狭くなります。
③はさらに極端に、軸の奥側が地面付近の場合。両翼はまったく広がっていないため、点になり、全体ではV字になります。
なお背斜の場合は逆で、軸が手前側に傾いている場合は、奥側が開くV字になります。
ここで上の地質図を見直すと分かるのですが、北の青点線で囲った地域と南の赤点線で囲った地域はV字が逆ですよね。
これは南が向斜、北が背斜で軸が西北西に傾いているという事を表しています。
はじめは頭がこんがらがるかも知れませんが、落ち着いて考えると分かってくると思います。
今週の予告
先週は、先々週の出張の疲労のためか、まだ今週分の記事を書けていません。目標として、以下の予定で投稿できるよう、頑張ります。
では、今週もよろしくお願いいたします。
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