「超巨大崩壊」があったのか?: 謎のへっこみ地形があるよ♬part4【都道府県シリーズvol.10富山県part2 東部山間地域no.2-4】
富山県上市町のとある山間地域に、謎「へっこみ地形」があります。
これは谷の堰き止めでできただろうと仮説を立てて検証してきましたが、それどころではなく、とんでもなくスケールの大きなできごとがあった可能性が浮上してきました。
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場所は?
サラッと場所の再確認です。
上市町は上図の赤色で着色した地域です。
「へっこみ地形」は上市町市街地から南東の山間地域にあります。
地形を見る
では問題の地形を見ましょう。
前回は最後にこれを見て「ゲゲゲ!」となって終了しました(笑)
「乱れた地形」が広範囲にわたっている様子、分かりますでしょうか?
「乱れた地形」の範囲を青点線で囲ってみましたが、この範囲では収まりません。もっと引いて広範囲を見てみます。
思い切って線を引いてみましたが、長さ約5km、幅約2.5~3kmと言う、とんでもなく広い範囲でした。
この地形がどうやってできたか?を考えると「超巨大崩壊」があったのだろうと想定せざるを得ません。
この地域一帯は新第三紀前期(約2000万~1400万年前)の安山岩質溶岩類ですので、福島県の会津磐梯山のような活火山の山体崩壊ではないでしょう。
可能性としてあり得るとすれば「直下型巨大地震を起因とする崩壊・地すべり」だと考えられます。
でも、ここまで大規模なものは、少なくとも私は見たことがありません。
日本一大きな地震地すべりと言われる宮城県栗原市の荒砥沢地すべりは、長さ約1.5km、幅約1kmです。
スケール感が全く違います。
しかし地形的特徴から「巨大崩壊もしくは巨大地すべりがあった」と考えざるを得ません。
大きすぎて全体図では分かりにくいので、部分部分で、その地形的特徴を詳しく見ていきましょう。
横方向に細長い地形
変わった地形としてまず目につくのが「細長い地形」です。
赤点線のあたりをアップにします。
どうでしょうか?
北東ー南西方向に細長く伸びる尾根や谷が平行に並んでいるように見えませんか?
赤点線が尾根で、青点線が谷です。
上図と見比べてみてください♬
類似地形がどこかに?
細長くのびる尾根と谷が平行に連なる様子、どこかで見たような??
これは平成20年(2008年)岩手・宮城内陸地震で発生した荒砥沢地すべりです。細長く伸びる尾根が見えると思います。
尾根を赤点線でなぞりました。
そしてもう1つ。
これは宮城県の七北田ダム南岸の地すべり地形で、以前、私が「荒砥沢地すべりに似ている」として紹介したことがある地域です。
やはり細長い尾根(赤点線)と谷(青点線)が交互に連なっています。
どうでしょう?
3カ所を見比べてみて「似ている」と思いませんか?
次回へ続きます!