地球のこういう所がおもしろい
ぼくは睡眠不足にかなり弱い。
「寝不足でがんばる」などということはおよそできない性質なのだが、今日はほとんど寝ていないままで、警察、お寺、介護センターなどを走り回ることになった。
認知症の親のしりぬぐいなんだけど、そのあいだ、本人はテレビを見てヒマそうにしていたので、いい気なものだ。
いのち
それはともかく、すべてを片付けた後で、山の中にある友人の「別荘」へ赴き、地面を這っているダンゴ虫をボーっと見ていた。
ふだんなら「虫が湧いている」くらいしかおもわないが、寝不足だからそういうことは思わない。
ダンゴ虫をみていると、ずいぶんせかせかと動き回っているのがわかる。たえず触角を動かし、あっちへいったり、こっちへいったり、「なぜそこまで?」と感心するほどせわしなく動き回る。
もっと小さいバクテリアも、同じくらいアクティブに動き回っているのだろう。これらひとつひとつがすべて
というもので、地球を支えているのだと思うと圧倒されそうだ。
人生の目的
かれらは人生の目的などと言うものは持たず、やたらせかせかしているだけだが、無意味にせかせかしたこの野郎どものおかげで土壌が肥えて、そのおかげで、ぼくらはコメや野菜やマクドナルドなどをそだてることができ、それらを食べつつ
だの
だのということを考えることができる。そんなことを考えていると、背後をやせたネコが横切った。
うさんくさそうにこちらを見ているが、こいつも人生の目的などと言うものはもっておらず、エサを食って、寝て、歩き回っているだけだが、こやつも生命である。
ホトトギスの鳴き声がしている。そこでは鳥の声以外に聞こえてくるものはなく、ホトトギスはとぎれることなく鳴き続けていたが、死ぬまで年中無休で鳴き続けるのだろう。
ぼくは「自然音 - 森 せせらき 波」というCDを持っていて、寝る時によく聞いている。その第一部「森」そっくりの音だったが、CDよりもいい音でずーっと聞こえていた。
リアルワールドとは
ホトトギスも人生の目的などというものをもっていない点では、ダンゴ虫やノラ猫と変わらないが、その鳴き声はCDに収録されて売り物になり、都会で「できるビジネスパーソンの仕事術」などということを考えているホモサピエンスがカネを払って買ったりする。
しかし、ダンゴ虫やノラ猫の世界と、「できるビジネスパーソンの仕事術」の世界と、どちらが本当の
なのかというと、どちらもそれぞれリアルワールドなのだろう・・などと濁ったアタマで考える。
そんなことを考えているぼくも、家でヒマそうにテレビを見ているオヤジのしりぬぐいにはしりまわされているだけだが、これも1つのリアルワールドであり、そうおもうと、地球というのはじつにおもしろい場所なのだとあらためて思えてくる。
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