人類の性格は基本的に同じ
「性格」というといろんな性格があると思うじゃないですか?内向的な性格と外交的な性格では正反対だとついおもってしまう。
せっかちな人とおっとりした人も正反対の性格だとつい思う。気の弱い人と気の強い人とでは正反対の性格だと思ってしまう。勇気のある人とおくびょうなひとは正反対の性格だと思ってしまう。楽観的な人と悲観的な人とでは正反対の性格だと思ってしまう。そういうふうに性格とはまんべんなく分布しているように思いがちだ。
でもこれは錯覚である。刷り込みといってもいい。性格分析ではつい性格を360度方向に分布した特徴の組み合わせとして分析してしまいがちだが、そもそもこういう見方になるのはのは、差異にばかり注目しているからだ。
ぼくにいわせると人類は基本的に同じ性格である。
「日本人は勤勉だ」などと言うけれども、それはブラジル人に比べてそう言っているだけだ。しかしブラジル人と日本人の勤勉さのちがいなど、ナマケモノと人類の勤勉さの差にくらべたらないにひとしい。日本人もブラジル人もオリンピックを開催できる程度には勤勉なのである。一方、ナマケモノにはオリンピックどころかプール1個作れない。プールがちょっと臭うか臭わないかなどどんぐりの背比べでしかない。
心理学や占星術の性格分析は、このわずかな差をおおげさに書きたてるが、それこそが人類共通の性格的欠点をよくあらわしている。すなわち
人類は視野が狭い
のである。よく「視野が広い人」、「視野が狭い人」などというけど、この分け方自体が人類しか見ていない時点で視野が狭い。うしろに目がついている人間はいないのである。ぼくに言わせれば「人間は全員視野が狭い」。
人間の性格は8割9割みな同じである。性格分析というのはのこりの1割をああだこうだ言っているだけだ。つまり「私の性格的欠点」などどうでもよくて、ほんとうは「人類の性格的欠点」のほうが問題なのだ。
ぼくにわかっている範囲で人類共通の性格的欠点をあげておく。
・動きだしが遅い
・視野が狭い(既出)
・現状維持を望む
・未知のものをおそれる
・知らないものをバカにする
・おくびょう
・情報収集が下手
・他人の評価を恐れる
などなど。78億人共通の欠点である。
ナマケモノが人類よりナマケモノであるのと同じく、人類は生まれつき小室家のことが気になるようにできている。これはあなたが悪いわけではない。ただしそのままでいいわけでもない。
今年の年初には1ドル103円だったがいまは114円である。つまりあなたが100万円を日本円で貯金している場合、小室家の心配をしているあいだに貯金は対ドルで90万円に目減りしている。円安で困るのはNYで暮らす小室家ではなくて小室家の心配をしているあなたの方だ。これをふせぐにはいそいで動かなければいけない。
しかし、いそいで動けない自分のことも気にしなくていい。それはあなたの欠点ではない。人類はみな動き出しがおそいのである。
人類全体が、近視眼的で、情報収集が下手で、動き出しが遅い。ぼくも近視眼的で、情報収集が下手で、動き出しが遅いが、それは全人類の欠点なので反省はしない。
ただしこれから10年のスパンで言えば、人類が人類の欠点をひきずったままで乗り切るのはかなり難しい。だから気づいた人から早めに人類の欠点を直すのがおすすめです。