ラビット関根のカマキリ拳法がスキだった
昨日に続いて名前の話です。
みなさん、子どもの頃に影響を受けたお笑い番組というのはいろいろあるのではないか。ぼくは、『笑って!笑って!!60分』『オレたちひょうきん族』『カックラキン大放送』 などがすきだった。
カックラキン大放送で一番好きだったのがラビット関根だ。関根勤さんの若い頃の芸名である。番組の冒頭に出てきて「カマキリ拳法」というのを披露していた。あれがスキでスキで、カマキリ拳法がみたくてカックラキンを見ていたようなものだった。
当時の関根さんは、マニアックでシュールでアブない人だった。カマキリ拳法にも、見てはいけないモノのような危なさがあった。
だから、ラビット関根が関根勤に改名した時には、ホント―にがっかりした。ぼくにとっての関根勤さんはラビット関根に尽きる。
でも今になってわかるけど、素顔の関根さんはたぶん「ラビット関根」よりも「関根勤」にちかいのではないか。シュールなネタをガンガンぶつけてくる人ではなくて、周囲と和やかに談笑しながら番組を進めていくタイプに見える。まさに名は体を表すですね~。
ただしふだんは温厚な関根さんだが、モノマネモードに入ると急にラビット風の危なさが出てくるのは今も変わらない。大滝秀治を演じているのは、関根勤ではなくてラビット関根だと思う。
それで、ぼくがスキだったカマキリ拳法のルーツなんだけど、たぶん千葉真一の「殺人拳シリーズ」である。
関根さんはテレビで千葉真一のモノマネもやるけど、あまりウケてない。元ネタの殺人拳が知られていなので仕方がないけど、『激突! 殺人拳』を見ると、関根さんの完成度の高さがよくわかかる。
ぜひ再評価したい。
千葉真一の『激突! 殺人拳』は日本より海外で評価が高い。ブルースリーの『燃えよドラゴン』が世界中で大ヒットしたのが73年で、『激突! 殺人拳』は翌年74年に制作されているので明らかに二匹目のどじょう狙いである。
ブルースリーは、独特のネコのようなびんしょうな動きで一躍人気を得た。
千葉真一はそれに対抗するつもりだったのだろう。独特のクセのある動きを工夫しているんだけど、それがめちゃくちゃ気持ち悪いのである。関根さんのモノマネは、その気持ち悪い感じをよく表現している。とくに表情だ。
たとえば、上の動画で1:00前後。千葉さんがイキって目をむきながらコオオォと息を吐くところの危ない感じ。1:40-1:50あたりでじわじわと相手を追い詰めるところも目をむきすぎである。
笑わずに見れたら大したものだ。
しかし、哀しいのは千葉さんが、「本当に強い人」だということである。ブルースリーのような見掛け倒しとはちがう。しかしその分、気持ち悪さが増している。
この千葉真一のあぶないうごきを見た後で、関根さんのモノマネを見ると、やはり関根勤は、ラビット関根モードのときが最高だなあと思う。
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