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ときには群れをでる
にんげんは群れる生き物だ。
この世に生れたら、まずは家族で群れをつくる。
思春期になると、親ばなれして友だちと群れる。
以後は、さまざまな群れにはいったり、そこから抜けたりをくりかえしながら、生きていく。
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似た者同士が集まると、心づよい。
逆に、あるグループに居心地の悪さを感じるようになったら、それは群れをはなれる時期が来たということだ。
その際に3つポイントがあるとぼくは考えている。
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一つめは、移行期の過ごし方が、とても大事だということ。
二つめは、抜け出せない群れには入らないように注意すること。
三つめに、ベースキャンプを持つことだ
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まず一つ目。
ある群れをでて、別の群れに入るまでには、大なり小なりフリーの期間がある。
この時期に、焦ってつまらないグループに吸収されてしまうとめんどうなことになる。
そうならないためには、群れに依存しないメンタリティを養っておいたほうがいい。
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ずっとまじめに会社勤めをしていた人が定年退職後に急に弱っていくことがあるが、これは会社という1つの群れに依存しすぎて、孤独への耐性ができていなかったのだろう。
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学校時代に引きこもった人は、すでに孤独への耐性を獲得しているはずだ。
ぼく自身は、高校の2年と3年の時に、個人的に運動会のボイコットをした。
一般的に見て、ほめられたことではないのかもしれない。
しかし、あれ以来人生がずいぶんラクになった。
ノーと言える人間になれた。
あなたが次に群れをはなれたら、しばらくフリーでいる時間を大事にしてみてください。
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二つ目。
グループというのは、「入るのは簡単だがなかなか抜けられないもの」と「入るのは難しいが辞めるのは簡単なもの」に2分される。
東大に入るのはムズカシイが辞めるのは簡単である。
一方、新興宗教は、入る時はチヤホヤしてくれるが、抜けようとすると大変なことが多い。
にこにこ寄ってくるグループほど注意したほうがいい。
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三つ目。
完全な孤立に耐えられる人はほとんどいない。
だから、家族や友人など、いつでも支えになってくれるベースキャンプのようなグループを持っておくのがいい。
SNSでもいい。
それほどコミットメントを必要とせず、いつでもサポートが得られるような人たちとゆるくつながっておくと心強い。