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こういう「自転車好き」もいる
ぼくはクルマもバイクも持っていないが自転車はもっている。もっているだけではなくて乗るのがもともとかなり好きなほうだ。
しかし、さいきんは外に出る機会がへり、せっかく外に出るのであればまあ歩こうかということになってしまい、そうやって遠ざかってみるとタイヤの空気も抜けているし油もささなければならないことをおもうにつけ、なんとなーく乗らなくなっていたのだが、以前はかなりとおくまでよく出かけていたわけであり、埼玉県民でありながらひんぱんに東京都に領海侵犯していたのである。
しかし、今日はひさしぶりにほこりを払って、空気を入れなおして乗り回してみたらきもちよかった。そういうことができるようになったということは生活のリズムが回復しているということだ。
それはともかく、自転車自転車ともったいつけているけど単なるママチャリである。厳密に言えば、「単なる」ママチャリではなくて、防犯番号が削り取られた元盗難車っぽいママチャリなのだが、ここではその話は省略する。無実だということだけは言っておきたい。
自転車が好きというと、さっそうとしたロードレーサーにでも乗っていると思うだろう。しかし、自転車好きが全員ロードレーサーに乗って三浦半島を一周しているとはかぎらない。ぼくの自転車好きはこのママチャリで完成形に到達しているが、こういう自転車好きというのも存在するのである。
自転車にかぎらなずゲームだってそうだ。ゲーム好きが全員コックピットのようなゲーミングチェアに座って一日中ゲームをやるわけではない。
趣味というのはいろいろあっていいわけよ。ぼくは最近、任天堂DSで「ニュースーパーマリオブラザーズ」をちょこちょことやり直しているが、そういいうゲーム好きもいるのである。この先デカいゲーミングパソコンを買ってゲーミングチェアに座る予定はゼロだが、好きなことは好きなのだ。
よく「ライトゲーマー」「ヘビーゲーマー」というけれど、ボクシングの世界でもフライ級とヘビー級ではたたかいかたがちがうし、どっちがエライというものではなくてゲームのルールがちがう。
趣味全般にそういうところがあり、ロードレーサーで三浦半島を一周する人とママチャリで一駅向こうの街をうろうろするのが好きな人とではゲームのルールがちがう。そこで自分なりのゲームのルールをつくってだれにも迷惑にならないところがあそびの面白いところだ。
他人にいばるために趣味をしているわけではないのだから、こういう自転車好きもいるし、こういうゲーム好きもいる。自転車好きはかならずロードレーサーで三浦半島を一周しなければならないと思っている時点で視野が狭いとおもわなければならないだろう。
べつにロードレーサーで三浦半島を一周した人に恨みがあるわけではなくて繰り返して書いているうちに「ろ」と入力しただけで「ロードレーサーで三浦半島を一周」に変換されるようになったのでつい書いてしまっただけだ。じっさいにロードレーサーで三浦半島を一周した人が万が一この文章を読んでいた場合は、そういうことなので決して悪く思わないように。もちろん、ママチャリで三浦半島を一周するというあそびかたもあるでしょう。