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8050問題

ダイヤモンドオンラインというニュースサイトに、「「引きこもり」するオトナたち」という特集記事がある。(<-リンク先は記事一覧ページです)。

一覧といっても記事数は膨大で、数えようと試みたがムリだった。一覧ページだけで19ページあり、各ページに20記事ずつ掲載されているので、概算では19×20=380記事前後になるだろう。すべて池上正樹氏というジャーナリストによるものだ。

いまこれを読んでいる人の中に、もし引きこもりで悩んでいる人やその家族またはそれに準ずる立場で解決方法をさがしている人がいるばあいは、もうこの文章を読むのは止めて上のリンク先へ飛んでもらえればと思う。もう一度リンクしておく。「「引きこもり」するオトナたち」だ。

まだ飛ばし読みで30記事程度しか読んでいないが、その範囲だけでも救いになりそうなことがたくさん書かれていた。380記事読めばどこかになにかのヒントがあるはずだ。引きこもりといってもほんとうにさまざまなパターンがあるようだが、380記事の中には「これは自分のことが書かれている」という記事がかならず見つかるはずである。

・・というわけで、ここまで書いた時点で「引きこもりで悩んでいる人や家族またはそれに準ずる立場で解決方法をさがしている人」はすでにダイヤモンドへ飛んでいなくなっているはずである。

以下は「引きこもりで悩んでいる人や家族またはそれに準ずる立場で解決方法をさがしている人」以外に向けて書かれたものだ。

ぼくは引きこもりではないしこの問題に詳しくもない。なので何かを言える立場にはない。しかし、なんというか・・「自分には強く言えることがある」という気持ちが消えないのである。

30記事読んだだけでも「8050問題」がこの国を揺るがすたいへんな問題だということはわかった。ちなみに8050問題とは、80代の親が50代の引きこもりの子どもの生活を支えている状態のことだ。

2019年の時点で深刻な問題だったが、コロナ渦で深刻化した。とはいえ非常にひろい範囲にわたる話なので、ぼくの言えることを言う以前にまずは概略を記しておくことにする。

一口に引きこもりといっても、発達障害圏と社会障害圏に大別されるそうである。両者が重複していることももちろんある。そのうえで社会障害圏に属するタイプの中にも、子ども時代の親からの虐待または学校でのいじめによるトラウマが引き金になっているタイプもあれば、社会に出てからブラック企業での過酷な労働が引き金になったタイプもある。

さらに問題全体の背景には、日本社会全体が「核家族化」ー>「個人家族化」へ移行しつつありセーフティーネットがどんどん失われていることがある。そのうえでバブル崩壊後のながい景気低迷の影響もある。そこへコロナ渦が事態を深刻化させた。

このあたりが30/380記事を飛ばし読みしてとりあえず感じた全体像だ。

ぼくは、今、実際に苦しんでいる人の助けになるようなことは何も言えない。だからそういう人にはすでにダイヤモンドへ飛んでもらったわけなんけど、そのうえで「自分には強く言えることがある」という気持ちが消えないのはなぜなのか。

ぼくが引きこもりでないのは、単に運がよかっただけだ。

そのうえでひとつだけはっきり言える。この問題は2つしか原因が考えられない。すなわち「社会がまともで当事者がウンコ」なのか、それとも「社会がウンコで当事者がまとも」なのか、どちらかしかないということだ。(以下、お食事中の方に配慮して〇〇コと表記いたします。よろしくお願いいたします。)

当事者が外に出られないのは「自分が〇〇コ」だと思っているからだ。しかし、ギリギリのところで引きこもりをまぬがれたぼくが強く言えるのは、この人たちはまともであり「社会が〇〇コ」だということである。ただし、それを当事者に伝えるすべがない。

当事者がそれに気づけば外に出られる。「おおぉ、じつは自分はまともで社会が〇〇コだったんだ!」と気づけば外に出られる。しかし、それを伝える方法がない。

ぼくはあるとき「自分はまともで社会が〇〇コ」だということに気づいたので助かったわけだが、よくよく考えてみれば、本当にまともな人は「社会が〇〇コ」だなどとは思わない。だから「自分が〇〇コ」だと思って苦しんでいるのである。「社会が〇〇コ」だと思って平気で生きていられるぼくのようなヤツが本当は「〇〇コ」 なのだろう。

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