サブクスは体験の質を変える
1年前のぼくは音楽のサブスクをするかどうかで悩んでいた。そしていまも悩んでいる。進歩がない。
最近、サブスクリプション型の定額サービスが増えて、モノから体験へという流れが目立つ。
定額サブスクとの相性はメディアによって違う。
本は「どんどん読め」と言われてもそうたくさんは読めない。買い切りでじっくり読むのに向いている。
一方、マンガならいくらでも読めるし、買うと場所をとるのでサブスクで読みまくるのが便利だ。映画もサブスクに向いている。どんどん見れる。
最近はゲームのサブスクも増えているが、あまり相性が良くないのではないかという指摘がある。
Aさんの意見
「選び放題だから、気軽にプレイする分、止めるのも気軽になっているのは確かです。1タイトルあたりのプレイ時間はどんどん少なくなっている気がしますね。」
Bさんの意見
「私の場合(中略)プレイする本数が増えたということもない。結局同じゲームばかりをプレイしていて、いまいちサブスクのメリットを享受しきっていない気もします」
このふたりの意見にサブスクのすべてが出ている。サブスクは「広く浅く」であり、買い切りは「狭く深く」なのだ。どちらがお得だとかという話ではなく、そもそも体験の質がちがう。
Aさんは、ゲームとの付き合いが「気軽に」なっている。つまりたくさんのガールフレンドをとっかえひっかえしている状態にちかい。そして、だれとも親密になっていない。
Bさんは「同じゲームばかり」やっている。結婚を前提にしてお付き合いしているくせに見合いサービスに登録しているようなものだ。さっさと解除したほうがいい。
ところで、悩ましいのは音楽サブスクである。まだ悩んでます。
アマゾンエコードットを導入したので3か月間の無料サブクスにはいっているのだが、今日とくに悩んでいるのは、なかなか手に入らないCDが入荷したという情報を得たからである。
中古CDなら1380円。MP3なら1500円だがアマゾンミュージックなら最初から入っているんだよな~。今も聞いている。
この状態ではたして買うべきなのだろうか。買えば荷物になるし、身軽になりたいならサブスクである。
しかし、サブクスでは聞き方が変わってしまう。とくにエコーで聞くとかんぜんにBGMになる。つまり音楽体験が浅くなる。
BGMとして音楽を聴くのも大好きだが、がっつりと向き合いあいたいときもある。ゲームのAさんと同じだ。「気軽にプレイする分、止めるのも気軽になっている」これでいいのか。
ジャズは暑苦しい音楽だが、エコーで聞くと涼しくなる。まるでテレビで映画をで見ているような感じで、簡単にチャンネルを変えられる。
バイキング料理みたいなものだ。中華も寿司も食べられるがおのおのの感動は浅くなる。ただし中華も寿司もいずれはウンコになって断捨離されていくの問題ない。一方、CDやDVDはウンコにならず、溜まっていくのが悩みなのだ。
軽くスマートにやっていきたいのか
泥くさく汗臭く感動したいのか
これはデジタル化しつつある世界全体に通じる問題だ。