イヤな話・・
昨年は陰謀論が大流行したがまだ終わったわけではない。来年あたりアメリカではまた大もめするだろう。
しかしぼくはそろそろ飽きてきた。
陰謀論はスピ系と紙一重である。どちらも頑固な思いこみにもとづいている場合が多く、病理的なものを感じることもある。最近そのあたりを相手にするのがめんどくさくなってきており、その点、怪談やオカルト系は健全でいいなあと再評価しているところだ。
たとえば、ネッシーが存在したとしてもそれでインフレが起こるわけでも選挙でもめるわけでもなく、単におもしろいだけである。
さて、実話怪談の1ジャンルに「イヤな話」系というのがある。
稲川淳二さんもかねてから言っているとおり、そもそも怪談とは幽霊話にかぎられるわけではない。ふしぎなはなしはすべて怪談だ。
その中にイヤなハナシ系というのがあって、聞き終わった後で「聞かなければよかったな・・」とおもうようなイヤな後味を残すタイプの話がそう呼ばれる。
R-1グランプリ元王者の中山功太さんが最近怪談で活躍されているが、強烈にイヤな話ばかりで聞いていておもしろかった。
そういえば京都蓮久寺住職 三木大雲さんの話もイヤな話が多い。
三木さんの有名な話に「学生時代に埼玉愛犬家殺人の主犯に毒殺されかけた話」というのがあるが、これも幽霊は無関係でイヤな後味だけが残る。
三木住職の場合は徳の高い人なのでいろんな悪いものがひきよせられてきているのかなあと思うのであるが、中山さんのばあいは育った土地のガラが悪かったのではないだろうか。ぼくもガラの悪い土地の生まれ育ったのでなんとなーくそう思うのだ。
ぼくは今年故郷の幼なじみとのつきあいが復活して、子ども時代にガラの悪かった先輩たちのその後の消息をいろいろ聞いた。そうすると思った以上に自殺や事故死で終わっているパターンが多いのである。日本は自殺率が高いのでこれで全国の平均値なのだろうか。それにしても多い。
今年の正月には関東で再会した故郷の先輩に年賀メールを送るのだが「あの先輩はバブルでウハウハした後、バブル崩壊後にみずから命を絶ったそうです」というような内容になってしまいそうだ。
正月早々縁起が悪いが、これが一番のニュースなので外すわけにはいかない。中山さんもそういう土地に生まれ育ったのかなあと聞いていてなんとなく思った。