自信はだいじ
昨日、キアヌ・リーヴスについて書いていてひとつ思い出したことがあってどーしても書きたくなった。キアヌ本人ではなくて、司会者の宮根誠司さんのことだ。
90年代にキアヌが映画の宣伝で初来日したときに、かれは関西にもやってきて大阪のテレビ番組に出演したのである。そして、当時宮根さんがやっていた番組にも出演したのだった。
このときの宮根さんとキアヌのやり取りからぼくには強い印象を受け、その後、長く、
という伝説になって残った。
以前はこのシーンを説明するとき、周囲の人が宮根さんを知らないのでなかなか伝わらなくてめんどくさかったんだけど、いまでは宮根さんもすっかり全国区になってくれたので、説明がラクになった。
そういうわけでキアヌが宮根さんの番組に出た時、カメラの前に二人が並んで座って、対談する形になったのである。
それで撮影の苦労話をあれこれと聞き出しているうちに「肉体を作りあげるのがなかなか大変だ」という流れになった。そこで宮根さんが、
と聞くとキアヌが
といって真摯にうなづいた。そしたら宮根さんもうなづきかえし、二人で目を合わせて約1秒間くらい「そうだよね~」という感じでタメでうなづきあったのだ。そしたら、横で見ていた女子アナウンサーが「プッ」と吹き出してしまったのである。
女子アナのきもちはわかる。テレビの前の視聴者もみな同じだったのではないか。なぜなら、宮根さんとキアヌには腹筋の横のお肉以外、ビジュアル的に
共通点がひとつもなかった
からである。しかも、ワイドショーの司会者はべつに腹筋の横の肉をおとさなくていい。それでも宮根さんは、ハリウッドスターにふかく共感し、うなづきあったのだ。
というのがストレートに伝わってきて、「関西にはすごいメンタルの強い司会者がいる」というのが僕の中に伝説として残ったのである。
いまでは宮根誠司さんはすっかり全国区の人だ。関西からそのまま全国に配信されて成功するワイドショーってなかなかないと思うのだが、成功の陰には、あのメンタルの強さというか、ハリウッドスターに負けない自信があったのだろうなあと今にして思う。