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良いランニングと悪いランニング

みなさまこんにちは。

前回の記事で

スポーツパフォーマンス向上のための

ランニングや走り込みの効用についてお話ししました。


間違った取り組みをすると悪い癖が増長する可能性もあるため

走り込みによってパフォーマンスを改善させるためには

本質の正しい理解が必要になります。


今回は具体的に

ランニングや走り込みをする際に

どのような意識でどのように走れば

ゴルフスイングが良くなるのか

考えてみたいと思います。




走りは歩きの、歩きは立ち方の、延長線上にある


まず初めに明らかにしておきたいことは、

立ち方や座り方、寝転び方を含めた

普段の姿勢も、れっきとした脳のパフォーマンスの結果ということです。

深く考え意図する機会があまりない

またはその必要性もないため

多くの人は

『え、そうなの?』と感じるかもしれません。


では具体的にどのようなパフォーマンスを無意識に行なっているか。

それは

身体の各パーツに働く重力とどのように付き合うべきか

情報交換、通信をして

どこの筋肉にどれくらい力を入れて

どのような骨の角度で立つのか

何かしらの選択がそこでバランスの調整が行われているのです。


そして、無意識下で行われるため気が付きにくいものですが

この脳の通信活動は

立ち→歩き→走る と運動が変わっても

それ自体は大きく変わらないのです。

つまり

良い立ち方を定義してそれをトレーニングできれば

走りも良くなります。その結果として専門動作も改善していきたいのです。


さらに特に走る時に意識すべきこと

走ることによって

得られるまたは失いやすいやすい性質は何かを知ることも

大切です。それについても後ほど説明します。

まずは

良い立ち方の定義

についてです。

先ほど わたしたちの脳は無意識に通信活動していると

述べましたが、

その理由は、重力に対抗しないと立てないからです。

これは地面にある水溜りが突然立ち上がることはなく

常に地球の中心=低い位置に引っ張られている現象が証明しています。

そして、より良い通信活動すなわち

重力が各パーツに働く方向を

正確に計算して重力に拮抗するためには、

まずは、われわれ自身の身体の各パーツを脳が的確に

感じ取らなければなりません。

これは重力が働く地球上では、動物以外の植物であっても

同じです。

しかし、植物と異なる点もあります。

それは、動物は姿勢を保った後、運動します。

つまり、わたしたちの姿勢の良し悪しの基準となるのは、

植物と異なり、動くための準備としての立ち方です。


では、動くための準備として

良いの立ち方とは何でしょうか?


それは

最小限の力で立つ

ということです。

そのために、脳が各パーツの重心を正確に感じ取り

その時々に応じて最適化された

役割分担をそれぞれのパーツに与えるということです。

このことを

バランスがいい、優れていると表現しています。


例えると数百人のチームがあり

リーダーさらに軸となるべき人を任命し

他の人もそれぞれの役割を全うするようなイメージです。

組織として最も機能している状態です。

別の例で例えると

数十人で神輿を担ぐ時に

一番負担がかかる所に力持ちの人を配置し

それぞれのポジションの人が最適な支え方をしなければなりません。

(軸となるべき人が力を抜くと、その皺寄せは他の人にいきます)

この2つの例は、最適なチームワークが存在することで

効率的に力を出して疲労度も少なく済むということを表しています。

脱力=適切に力を出し切ること


最小限の力で立つ

つまり

力を抜いて立つと言われると

必要な力すらも出せないと考える人もいるかもしれません。

しかし、そうではありません。

軸がはっきりとして、力が入るべき場所とそうでない場所の

グラデーションがはっきりするということです。

体重が70キロの男性なら

普段は、トータルで70キロの力だけで重力に抗う

ことが理想になります。

そのためには無駄な力が抜けて、

合理的なポジションに配置された筋肉に

スイッチが入らなければなりません。


軸になるべき筋肉が使われ出す


複数のパーツごとに重心と重心線は存在します。

さらにその集合体である一つの身体の

中心となる場所にも重心線が生まれます。

(都道府県のそれぞれの中心都市と各都道府県が
 集まってできた日本の首都のような関係)

その線に沿ってできるのが軸という潜在意識になりますが、

軸が通る場所の筋肉はアクティブになります。

上記で述べたような合理的でスイッチが入るべき筋肉で

具体的には身体の中心に存在する

体幹の大腰筋と下半身のハムストリングスが協調して活動するようになります。(先ほどの例では軸となる人物や負担がかかる力持ちのポジションにあたります)


これらの筋肉が主導となって立つことが良い立ち方の鍵です。

ちなみにバランスを取らないと立てない幼児期は

この立ち方をしています。

ではその後の走りはどうでしょうか?

脚を上げる筋肉は複数ある

理想的な立ち方とは反対に

普段から前ももや体幹の表面の筋肉

過剰に働かせて立っていると

走りに移行した後も、前ももが主導で使われてしまいます。

前ももの筋肉は脚を上げる役割もありますが

地面に足をついた際に体幹部を後ろに押し返す役割もあり

体が起き上がり走ることにおいてのブレーキをかけるのです。


理想的な軸の作用で大腰筋によって脚を引き上げられる

体幹部は柔らかく保たれ

地面に足をついた際にはハムストリングスが

足を後方へと掃くように働き、体重移動を邪魔することなく

結果として体が前方に進んでいきます。


地面反力、前傾角度、体重移動


ゴルフにおいても

スムーズな体重移動や前傾角度を保ち地面に対して

上手く落下しながらエネルギーを伝えることが鍵になりますが

全く同じ要領で良い走りも決まるのです。

さらに走る際の地面反力も以前の記事でも解説したように

ただ地面を強く蹴ることではなく

それまでの条件を整えることが大切になります。

その条件とは、大腰筋でより高い位置から

脚をコントロールすること、着地時に膝が曲がり過ぎず

無駄なく跳ね返りを利用することです。


良いスイングと良い走りの共通点


その他にも歩きや走りで

踵を長く使えると


で右踵が粘れて右膝が出ない動きに繋がります。

実は、これらの共通点は

軸が存在すれば

どの競技においても同様に作用することなのです。


簡単ではないからこそ、走る際に意識すべきこと


これまでざっと立ち方を改善することでの

走りへの影響についてお話ししました。


では、走る際に特に意識すべきことについてもお話しします。

走るという動作は歩きよりも反発が大きく

上下動があります。厳密には歩きの中にもありますが

走りには空中期が存在します

この上下動の仕組みや重心の基準点の高さが

軸の形成においてプラスにもマイナスにも両方に作用して

走りのパフォーマンスの差として現れます。


身体の動きやすさやスピードに対しての疲労感

つまり軽快に走っても速く走れるかどうかという

パフォーマンスの良し悪しが歩きよりも鮮明になるのです。





良い走りは重心の基準線が高い


空中期がある走りにおいて

✖️  前ももや膝下の筋肉を主導で使う重心の基準線が低い走り方と

◎  大腰筋で高い位置から両脚を吊ることで重心の基準線を高い位置に保ち   ながら足を置くようにソフトに置く走り方

に大きく分けることが出来ますが

後者の方が軽快に転がるように

ブレーキをかけることなく走ることが出来ます。

ゴルフもアドレスは重心が高い方が良く

以前の記事で、低い位置からテークバックすることの

デメリットについて解説しています。


ランニングという練習との向き合い方

さて、これまで簡単に良い走りと悪い走りについて

お話し致しましたが

良い走りを身に付けていくまでの過程において

運動としての強度や難易度が高い走るという動作では

癖を増強する性質がありますから

良くない身体の使い方をしている時には

頑張って、ただがむしゃらに走り続けることよりも

立ち方や歩き方から見直す勇気が重要です。

これは、ゴルフのフォームを練習する時と同様です。


むしろ身体を整えてから

自然と走りたくなるような状態

さらに走りの中でも身体を整えて疲労を取り除ける

という相乗効果を得ること

これこそが

走る動作以外の専門動作の改善や高いレベルでの維持に

繋がっていくと考えています。

ゴルファーにおいても例外ではないので

ぜひ参考にしてみてください。


次回 

運動神経が良いと美脚になる理由


について 解説していきます。


最後までご愛読有難うございます。







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