恋愛は、叶っても叶わなくても心を苦しめる②
無償の愛を受けられる人は少ない。
相手にどんな存在になってほしいか、愛の中には何かしらの期待があることがほとんどのはずだ。
やがて、期待と条件が反り合わなくなることに不満を抱き、腹を立て、最悪の場合には別れを選ぶ。
思えば4年以上を費やした私の過去の恋愛もそうだった。
「デート中にスマホを見ないでほしい」
「もっと会いたい」
「いい加減遅刻はやめてほしい」
なんでだろう、言えなかった。
出かける前日は寝る時間削ってコーディネートを考えた。
いつもより早く起きて普段は5分で終わるメイクを30分かけてして、火傷しながら慣れないヘアアイロンをかけた。
相手が乗りそうな電車も事前に調べて、それより早く着くようにした。
プレゼント選びは街中の店を歩き回って、悩みに悩んで、選ぶのに3週間かかった。
別に、相手がそれを望んでいたわけじゃない。
……いや、書いていてめちゃくちゃしんどい。私が男だったら私とは絶対に付き合わない。
かなり重い自分を、重く見せないように気を張って、最終的には張った気に針をプスッとさして割れて終わり。
叶った恋愛は想像以上に舵取りが難しくて、叶わない恋愛より苦しかったな。いや、叶ったとも言えないのかもしれない。
自分を知ってもらおうともせずに、相手を知ろうともせずに、全部が無駄とは言わないけどしなくていい我慢をして4年。
今まで自分でも気づかなかった押し殺してきたものが爆発した日、最後に「なんか、変わったね」って言われた時は、わ、ドラマみたいって思った。
恋愛ドラマの、別れの言葉もなく終わるソレみたい。
別れてからは毎日泣いた。
でも、実に不思議だったのが、恋愛と関係のないことが次々とフラッシュバックしたことだ。
小学校時代にいじめられたこと、そのいじめっ子から親友を守れなかったこと、他人の人生を歩んだばっかりに夢をいくつも諦めたこと…
たぶん、恋愛が終わったことに対してだけの涙ではなかったのだと思う。
きっと、周りの視線を気にして、環境のせいにして、自分の信念に何度も薄い蓋を重ねて封じてきた、自分の弱さにやっと気づいたのだと思う。
咲かない花を育てた経験は、多くのことを気づかせてくれた。
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