オレンジジュースの寒天ゼリー
実の母の味をあんまり知らないにゃりぺよ。
義母の料理が母の味だと思っているなんて言ったら、たぶん本当に母親の機嫌を損ねてしまいますね。
母親は料理ができる人だったと思います。
父と暮らしていたときは、よく料理をしていたような気がするので…。
しかし父との離婚後、母親はめっきり料理をしなくなりました。
トーストなんかは焼いてくれるけど、キッチンに立つことはまずありません。
母親が一人のときには、あまりもので適当なものを作っていたよう。
でもにゃりぺよは一から何か作ってもらった記憶がほとんどないです。
以前作ってくれたあれが食べたい、と言っても母親ははぐらかすばかり。
ちなみに母親はそんな調子で、にゃりぺよに料理を強制することもありませんでした。
「すてきなレストランに食べに行けばいいじゃない!」と言っていました(マリーアントワネット?)。
そんな母親が唯一自発的に作ってくれたもの。
それがオレンジジュースの寒天ゼリーです。
ある日家に帰ってくると、突然母親がオレンジジュースの寒天ゼリーを作っていました。
にゃりぺよはジュースを飲まない子どもだったのに、なぜオレンジジュースがあったのかはわかりません。
カヌレみたいな形をしたカップで作られたオレンジジュースの寒天ゼリー。
母親は、それを気まぐれで何度か作ってくれました。
母親がにゃりぺよのために作ってくれたのがうれしかったです。
にゃりぺよは母親のことを思い出して死にたくなるたび、オレンジジュースの寒天ゼリーのことも思い出していました。
あんな暴言はかれたけど、あの日ゼリーを作ってくれたから。
最低な母親だけど、にゃりぺよのこときっと好きだったんだ!
この話をしたら、夫は「呪いじゃん」と爆笑していました。
オレンジジュースの寒天ゼリーの呪いに関する話でした。