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梅本佑利『街を歩いていたとき、公園の階段にある手すりがスケートボードのレールに見えたときがあった。』
月刊アルテス 連載・多元世界の音楽より、11月号『街を歩いていたとき、公園の階段にある手すりがスケートボードのレールに見えたときがあった。』
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街を歩いていたとき、公園の階段にある手すりがスケートボードのレールに見えたときがあった。たしかにその上をスライドする誰かが見えたのだ。ぼくは衝動的に乗っていた。ふらついた2本の足が落ち着いて、鼻と尻尾を左右に振り、跳ねたデッキを空中に浮かせるまでには1週間が過ぎていた。
都市をサーフィンするスケートボーダーを想像する。彼らは人工の自然を滑っているのだ。発展した都市は、山や海のように、捉えきれない怪物となった。太古の魚が陸に上がったように、カリフォルニアのサーファーは海から都市の波に乗り換えた。いくばくかの者は天変地異に適合し、大胆な呼吸をこころみた。いまや、彼らはもっぱら舗装されたアスファルトの道路を全速力で滑走する。そしてついに、かつてみずからが魚であったことを忘れるのだ。
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photo: (c) Sophia Hegewald