巨大なカースト社会に飲まれる
いかにも地域基礎のFJI先生に怒られそうなタイトルである。カースト制度がなんなのか私はあまりよく分かっていないし、もうインドでは廃止されている制度だ。
しかしひしひしと感じるのは、インドには目に見えないランクのようなものが人に付いていること。自分より身分が高い人なのか低い人なのか、なんとなくわかってしまう。
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まず、インドの家庭には「お手伝いさん」がいることが多い。安い賃金で家事をする人を雇うことができるのだ。
インドではないがパキスタンに行った時、お世話になった先生のお宅にもお手伝いさんがいた。私は最初お手伝いさんだと理解できずに家族の一員だと思っていたので、何故彼女だけ荷物を持たされているのか、一番遠慮して食事をしているのか理解できなかった。
後でお手伝いさんだと気づき、言われてみれば家族のメンバーより肌の色が黒いなと思った。
インドの大学の寮にもお掃除のおばさんがいる。おそらく住み込みで働いているのだろう。私は彼女たちがあまり好きではない。朝まだ早い時間に大声で仲間と話したり、勝手に部屋に入ってきて「(私たちが買った)ゴミ袋をくれ」と言ったりするからだ。話すヒンディー語も、訛りが強すぎて聞き取れない。教養がないんだな、と思った。そして自然に心の中で差別してしまっている自分に気づいた。
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安い賃金で自分より身分の低い人の労働力を買うのかインドではよくあることだ。児童労働だってある。
大学の食堂では、普通に私より幼い男の子たちが働いている。児童労働はよくないことだと思っているが、そこで食事をしてしまう。彼らが安い賃金で働いていることによって、私たちは日本よりだいぶ安い価格で食事をすることができる。
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インドに来ると安い労働力を利用することは避けられない。日本も教養があり希少価値がある人ほど、たくさんお給料をもらうことが出来るがインドはそれが顕著だ。
「児童労働はよくない」「貧しい人を助けよう」…。日本でいうのは簡単だが、実際にインドに来てみるととても難しい。自分もその巨大なカースト社会の一員のように感じてしまうのだ。