そうだ、牧場で働こう(続)
神経質でコミュ障の私の周りには意外にも大らかでコミュニケーション能力の高い人間が多い。類は友を呼ぶというが、私の場合どちらかといえば異類が友となっている。私に似て神経質なタイプは我が長男くらいだろうか(しかし長男は夫に似てコミュニケーション能力はとても高い)。
私がこんなにもこの世の終わりというほど職場に馴染めないことに苦しんでいるというのに、私の夫は「まぁなんとかなるでしょ」という他人事スタンスを貫いている。別に心配をしてほしくてこうしている訳ではないが、愛する妻がこんなに長い期間(といっても一ヶ月だが)泣きべそをかいているというのに、隣でやかましいYouTubeを見、心配をするそぶりなどないどころかこちらを一瞥ともせずケラケラと笑っているのだ。
曰く私は年がら年中それはそれはシクシクと泣くのでもう慣れてしまったそうな。
確かに私は泣き虫だ。息子の卒園式やお別れ会で泣き、学芸会や発表会も泣き、授業参観で立派に作文を読む姿に泣く。素晴らしい本を読めば泣き、酒を飲めば泣き、何回見てもとなりのトトロで泣く。あんまりにも普段から泣いているのでオオカミ少年のようになってしまっているという。全部本気泣きだというのに、なんだか損をしている気分だ。
そんな私は実は明日から牧場で働くことが決まっている(※そうだ、牧場で働こう)。
今働いている職場も本当はもう少し辛抱しようかとも思っていたが、あまりに下痢は続くわ悪夢は見るわと体調に出てきてしまっているので、次の職場を決め早めに退散しようと決心がついた。私だってここでの生活をうんと楽しみたいのだ!
恥ずかしながら35歳にて一ヶ月での退職(まだしてないけど)。牧場の面接では人間関係でうまくいかなかったのでここにきたと正直に話しをした。そして一刻も早く職を変えたいので明日から働きたいとお願いをしたところ快く受け入れてくれたのだった。
うまくいくかはわからないし、また新しい職場となるとやっぱり緊張するので胃が痛い。今の職場もすぐには辞められないのでしばらくはダブルワークとなるが、私の心は少しだけ軽くなっている。
面接を終えホッとし車に戻る。見渡すとそこには牛がいて、牧羊犬がいて、自然いっぱいの景色にやっぱり私は涙が出そうになった。
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