眠りたい森の熟女
「私は最近英語を勉強しています。」
I study English recently.
海外に住んでみたいという漠然とした夢はずっとみているけれど、やっぱり私は畳の部屋が好きだしお醤油味が好きだし、日本のジメっとしたアートが好きだし。そもそもカナダってどこの国?って言っちゃうくらい常識がないので、移住はどうかなぁ…でも自然がいっぱいであまり便利すぎない場所だったら死ぬまでに一度は住んでもいいなぁなんて。別に誰に頼まれてもいないけど。
移住はともかく、日本以外で展示はやりたいなと思っている。私の写真ってガッツリと「日本」だからウケるんじゃないかな〜なんてそんな甘々な考えもある。そういうわけで私は英語をコツコツと勉強している。
「私は入眠に問題があります。」
って英語でなんていうんだろうとふと考えている現在AM5:30。
睡眠ではなく入眠。睡眠に関して言えばおそらく私はなんの問題もない。一度寝てしまえばロングスリーパーだ。眠りが浅いこともないし、一度寝さえすれば二度寝も大得意。
しかし入眠、それはもうひどい。
遠足の前の日が楽しみで眠れないなんて話を聞いたことがあると思うが、私の場合その遠足がなんでもかんでもに置き換えられてしまう。
例えば夜中に夫が何気なく「眠れないの?」と聞いてきたとき。
夫のその優しい言葉は私の脳内で「早く眠らなければ」と変換される。そしてプレッシャーで眠れなくなるのだ。優しさでしかないはずの言葉はどこでどう間違ったのか呪いの言葉となり私に降りかかる。
夫も「ありがとう。もう寝るね。」と返ってくるはずが「うるさい!眠れるわ!」となんとも理不尽かつ暴君な言葉が返ってくるので、たまったもんじゃないだろう。こんな私とよく一緒にいてくれるなと常々思う。
また、明日が億劫であっても眠れなくなる。
「明日から仕事だし少しでも寝ておかないと」なんて考えてしまったらもう全く眠れない。明日の用事が楽しみであろうが億劫であろうがむしろ用事があろうがなかろうが「眠らないと」と1ミリでも考えてしまったらもう終わりだ。
やっと、やっと眠りにつくことができた…と思っても素晴らしいタイミングでかかってくる電話や、「まま、黄色い帽子どこ?!」という愛する我が子の声も、ヤマト運輸さんの「お荷物でーす!」のインターホンも。ありとあらゆる障害物が私の入眠の前に立ちはだかる。
そしてどれだけ疲弊していても一度タイミングを逃した眠りはどこかへいってしまう。なんて面倒なからだなんだろう。
ちなみに眠る前にカフェインを摂らない、iPhoneをみない、面白い本は読まないなんていう当たり前すぎる方法はすべて試し尽くしている。
最近までアルファベット順で英単語を10個ずつ頭の中で浮かべていくという入眠儀式を編み出し、kあたりで意識がなくなるという素晴らしい方法で入眠ができていた。が、なんと毎日の勉学に励んだ私はみるみる単語力がついてきてしまい次々とアルファベットをクリアし、ついにsleepという単語が出てきたところで「私は簡単に入眠できない」という言い回しはどう言えばいいのかを考えはじめすっかり眠れなくなってしまったというわけだ。ああ外はすっかり明るい。
もちろん眠れなかったとしても次の日に支障がないわけはない。なにをしても集中力は続かないし(もともと集中力はないけれど)、頭は痛くなるし、眠くてイライラもする。
だからといって眠ることに躍起になっているとそれもまたプレッシャーとなり眠れない。結局なにもできなくなり悪循環の極みとなることはわかっているので、こうなってしまったらもう眠ることは潔く諦めるが吉。
からだを起こし小腹を満たし、お湯を飲みながら本を読んだりさして興味のないYouTubeをみたりする。(現在はこの文章を書いてみている。)
この時間にたまった家事でもすればいいのにと思うのだがどうにもそれはやりたくない。いつだってやりたくないんだけど。
ところで毎回タイトルをどうしようかと考える。もともと私は写真作品にもタイトルをつけることがとてもとても苦手である。タイトルって本当にセンスが出ると思っていて、直接すぎても面白くないし、小難しすぎても格好つけてる感じになっちゃうし。言葉の裏にあるストーリーを想像させるようなタイトルだと見てみたい、読んでみたいと思うものだ。
今までこのタイトルおしゃれー!と感動したのは川内倫子さんの「うたたね」と野口花林さんの「あたたかい身体」。そのままの意味だけではなく死を連想させることもできるのに、言葉はシンプルで柔らかいのだ。それと松岡一哲さんの「やさしいだけ」。うーん美しいタイトル。
まぁここは私の写真作品でもなんでもないし、なんでもいいやとパッと思いついたディズニー作品。眠りたい森の…で立ち止まったが、わたしは美女ではないし、もちろん少女でもない。〇〇女っていう響きがいいけどなぁ。熟女か…。ちなみに私は35歳だが熟女枠なんだろうか。小熟女もなんだか往生際が悪いような感じがしたので熟女とした。なんだか場末のキャバクラのようなタイトルになってしまった。まぁいっか。
改めて「熟女」とはなんともネットリとしていてすごい響きである。
さて眠ることも諦めこの文章を書いていたが、人間ずっと眠れないことはない。眠れなかった今日は辛いが明日は泥のように眠るんだろう。
それでは明日おやすみ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?