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ニューヨーク名門保育園の驚きのバレンタインパーティー
3歳の娘はたまたまニューヨークの名門保育園に通っています(保育園についての記事はこちら:前編、後編)。そこでは定期的に保育園の通う子どもの家でホームパーティーが開催されますが、今回はバレンタインデーにあわせてバレンタインパーティーが開催されたので、その驚きの内容をシェアします。
オンラインで素敵な招待状が届きます
まず、ホームパーティーの案内は素敵なデジタルカードが届きます。みんなPaperless Postというサービスを使っています。デジタルカードには、ホームパーティーの日時、会場はもちろん、参加予定者も随時更新され、便利なのと、何よりビジュアルが素敵です。
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日本で似たようなオンラインカードのサービスがあるか調べましたがありませんでした。一番近いのは、結婚式・二次会のオンライン招待状だと思います。日本だと、結婚式以外で多数のまた異なるグループの友人を招待するイベント(≒パーティー)があまりないので、このようなサービスは需要がないのかなと思いました。友人を自宅に招くとしてもLineで十分ですもんね。ただ、オンラインカードはビジュアルが素敵で気分があがります。
アメリカ流のおもてなし
何よりの驚きはバレンタインパーティーでのおもてなしです。日本とスタイルが違えど、アメリカ流のおもてなしもなかなかです。
子ども天国
家の中は子ども天国です。バレンタインにあわせて、バラの花や、赤、ピンク、白の素敵なデコレーションがなされているほか、子どもが飽きないように、いくつもの小道具、具体的には切り貼りして遊べるクラフトグッズ(しかもバレンタインにあわせたピンクのハートなどのシール)やクレヨンと模造紙が置かれています。子ども達は家につくなりその遊び場スペースに吸い込まれ、もくもくと工作をしていました。まあ、そのうち飽きて走り回ったりするのですが、子どものテンションがあがるデコレーション、準備がなされています。
大量のおかし
そして、アメリカらしいのは子ども向けの大量のおかしが置かれていることです。小袋に分けられた子ども用のおかしが数種類、フルーツ、ドーナツが山盛りに盛られ、ジュースは飲み放題、子どもには最高のスイーツビュッフェです。我が子は食べ物に目がないので、あらゆるお菓子を制覇し、たぶん、数日分のカロリーを摂取してしまったのではと思います。。。
ビンゴ大会
子ども向けのイベントも企画されています。今回はホストのお母さんが子ども向けのビンゴ大会を開催してくれました。10名を超える子どもが一同に集まる絵は圧巻です。ビンゴになった人にはプレゼントがありますが、ゲームは子どもたちみんながビンゴするまで続き、全員にプレゼントが行き渡るようになっています。
親には冷蔵庫いっぱいの飲み物
おもてなしは子どもだけではありません。親向けに各種ドリンク、つまみが用意されており、中でも一番驚いたのは、冷蔵庫の半分が飲み物の缶で占拠されていた点です。しかも、丁寧にWater, Cola, Hard Seltzer(チューハイみたいなやつ),,,と、冷蔵庫の引き出しにポストイットでどこに何が入っているか分かるようにしてくれています。どう考えても、このパーティーだけで消費できない量の缶がきれいに整列されていました。
ホストの子どもからみんなにプレゼント
何より感動したのは、ホストの子どもが、参加者の名前入りの絵をかいて、家に到着するなりプレゼントしてくれたことです。なんと優しいのでしょう。娘はその絵が気にいったのか、我が家の壁に貼っています。
最後にはお土産
そして、帰り際にも、お菓子とかんたんなおもちゃ(ハート柄のリストバンドとか)をもらってしまいました。しかもホストからだけでなく、一部参加者の子どももみんなに同様にプレゼントを配っていました。至れり尽くせりです。
感想
日米のおもてなし比較
日本はおもてなし文化がすごいと思われていますが、当たり前ですが、アメリカでもおもてなしはあり、(そして私が過去住んでいたラテンアメリカではラテン流のこれまた手厚いおもてなしがありました。特に田舎に行くとすごいです。)、客人をもてなす気持ちは各国共通だなと思います。文化によっておもてなしのスタイルが違うのだと感じています。
日本のおもてなしは、自分が一段下がって、相手をあげてあげる、相手は特別扱いされて嬉しいみたいなところがあると思います。例えば、おもてなしというと旅館やレストランなどがぱっと浮かびますが、そこでおもてなししてれ来る人は黒子・サーバントで、客人から一段低いところでサーブしてくれるイメージです。一方で、アメリカのおもてなし、ホスピタリティは対等です。ホテルであっても、スタッフは客とカジュアルに話し、そこでNiceであること=友達的に気持ちの良い会話ができることが良いホスピタリティとされている気がします。
ホームパーティーであっても、日本は奥さんがキッチンでせっせと料理を作って、よきタイミングで料理を出してくれるみたいなイメージがありますが(昭和的?)、アメリカのホームパーティーでは、料理はピザやチーズ・クラッカー、果物など、手間がかからないものが並べられており、ホストも一緒にそれをつまみながら話すスタイルです。
親の社交・情報交換の場
これは保育園の誕生日会(記事はこちら)でも感じたことですが、ホームパーティーは親の社交・情報交換の場として間違いなく機能しています。パーティーに行って驚いたのは、着くなり「大人はこっち来て話そう!」と子どもの遊びスペースと大人の歓談スペースが分かれていている点です。ホームパーティーに到着するなり、自分の子どもと離れてしまうと、娘は何をしているか、悪さしていないか気になってしまいましたが、これは日本人的な感覚かなと思いました。
そんな社交・情報交換の場で、今回のバレンタインパーティーで親と話して一番印象に残っているのは、子どもの幼稚園受験の話です。保育園(Preschool)を2年終えると、次は幼稚園(Kindergarten)に入学となります。そして、幼稚園入学でも熾烈な受験競争があります。私の娘は保育園1年生ですが、一学年上の子ども達はちょうど幼稚園受験が終わったところです。そんな幼稚園受験を終えた親から聞いたのは、願書を15の幼稚園に出した。面接は各校1回だけど、その手前に学校見学や幼稚園卒業生の親との懇親会など、いくつのイベントがあり、明示されていないが、そこで受験者の目利きがされていて大変、といった話です。大変ですね。。。でも、娘が通っている名門保育園は幼稚園受験のサポートがしっかりしているから大丈夫、という話も出てきて、保育園がそういう機能を担っているという点も驚きでした。
贈与は循環する
そして、バレンタインパーティーに参加して思ったのは、こんなに良いおもてなしをしてもらってるから、自分たちも何かお返ししなくては、大変だけど、やっぱり娘のバースデーパーティーくらいはしっかりやろうかなということです。
日本でも数年前に『世界は贈与でできている』が出たり、評価経済の話が流行ったり、贈与を聞く場面が個人的に多かったですが、パーティーのおもてなしはまさに贈与だし、贈与を受けてしまうと返礼をしないと気持ち悪くなるというのを体感として改めて感じました。
いずれにせよ、とても素敵な気分になれ、かつ発見も多いバレンタインパーティーでした。