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ニューヨーク名門保育園の驚くべきお誕生日会

3歳の娘はたまたまニューヨークの名門保育園に通っています(保育園についての記事はこちら:前編後編)。そこでは同級生の華麗なお誕生日会が定期的に開催されます。これまで2回お誕生日会に参加したので(直近あと1回控えています)、今日はその驚きの中身をシェアしたいと思います。


お店を貸切り、ラクチン

これまでに参加したお誕生日会はいずれもお店を貸切って実施されました。お店は子供用の屋内プレイグランドで、日本では直接それにあたるものがぱっと思いつかないのですが、子ども向けアミューズメント施設が近いと思います。2回行ったうち一つは、キャンディ屋さんをテーマにしたアミューズメント施設、もう一つは遊具がたくさんある子ども広場風の施設です。

アメリカの子どものお誕生日会では、ホームパーティーや公園パーティー形式もありますが、予算(20万円超!)さえ気にしなければこのお店貸切り形式がラクチンです。お店側が当日の準備、進行を全部やってくれます。例えば、キャンディ屋さんをテーマにしたアミューズメント施設だと、時間になったらお店のスタッフが数人あらわれ、子どもは席についてお菓子づくりをします。数種類のお菓子を順番に作ります。そして、次から次へと出来上がるお菓子を頬ぼっていると、ピザが出てきて、最後はお誕生日ケーキカットと、どんどんプログラムは進みます。親は特に何かする必要はありません。子供を横目で見ながら雑談しているとすぐに1.5時間たって、はい解散となります。

キャンディ屋さん風施設

子ども広場風の施設では、専属のスタッフ3名が、子ども広場の遊具を使って、ボール投げしたり、かくれんぼしたり、ダンスしたりと子どもを上手に楽しませてくれて、こちらもピザ、ケーキで締めとなり、きっかり1.5時間でプログラムは終わりました。親はとてもラクチンです。お金を払って良いサービスを受ける、きわめてニューヨークっぽいです。

大量のプレゼント、でも開けられない

参加者はみんなお誕生日プレゼントを持っていきます。私も娘と一緒に、「XXちゃんはプレゼント何がいいかなー」と言いながらプレゼントを買って、包装用の袋に包んで持っていきました。アメリカのお誕生日会では、包装用紙をビリビリ破いてプレゼントをあけて、バースデイーボーイ・ガールが喜ぶという絵を想像していましたが、お誕生日会到着してすぐに、受付でプレゼントを預けると、それでおしまい、お誕生日会の中でプレゼントが開けられることはありませんでした。

プレゼントを開けるとそれで子どもたちが遊んでしまうという理由でしょうか。せっかくプレゼントを選んでいった身からすると少し拍子抜けであった一方、我が家の質素なプレゼントが白日の下にさらされずどこか安心したところもありました。

親の社交の場

アメリカ社会ではネットワーキングがとても大事にされます。そしてそれは保育園でも同じです。保護者のWhatsAppグループ(Lineグループみたいなやつ)ができ、たびたび一緒にここ行きませんか、遊びに行きませんかとお誘いが来ます。お誕生日会も、そのグループで案内が流れ、ネットワーキングを深めるという側面があると感じています。もちろん、子どものお誕生日をみんなで祝ってあげたいという親の純粋な思いがベースにあるのは間違いありませんが、親通しで親睦を深める機能を持っていることは間違いありません。

特にお店貸切りスタイルだと、バースデイボーイ・ガールの親も含め、当日はほぼお店に進行を任せきりにできるので、親は子どもたちの微笑ましい姿をみつつ、他の親と雑談をします。子育てのこと、仕事のこと、どうしてニューヨークに来たかなどなどを話していると仲良くなれます。私は内向的な性格で、決して社交は好きなタイプではないですが、こういったアメリカのネットワーキングを大事にするところは、社会を強くするし、役にたつし、個人としての幸福度もあがるなと感じています。

少し脱線しますが、アメリカでは日本のようにお上にだけ頼っては生きていません。日本では、母子手帳に始まり、自治体が管轄する保育園、小中学校、そして医療、年金支援と、仕組が整っており、よくも悪くも一人で、公的な仕組みを活用して生きようと思ったら生きられる社会です。でもアメリカ、特にNYで生活する実感は、仕組がないので、知恵とネットワークでサバイブしていかないといけないという切迫感があります。どこの学校がいいか、XX科のお医者さんは誰が良いか、家・仕事はどうやって探すか、すべて自分で動かなくてはいけない感覚があります。その際、この保育園ネットワークは強力です。自助・共助・公助で言うと、日本は公助の役割が大きく、アメリカでは自助・共助が分厚いイメージです。まあ3層全部厚いのが良いですが、アメリカはこの共助を分厚くする仕掛けが、保育園の保護者ネットワーク含め、いろいろなところに散見されるなと思います。また、こういったネットワーキングは、内向的な私でも楽しいなと感じます。やはり色んなバックグランドの人と知り合い、そして関係を構築するのは心地が良いです。

最後脱線しましたが、お誕生日会をとっても、そこには驚き、気づきがあり、ニューヨーク生活を満喫しています。

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