母の昔の服を見てわかった事
昨日実家に行った。
それはこんな訳だ。
私がこの前親戚の告別式で着たトリイユキさんのフォーマルの黒のワンピースがキツくなって着れなくなったので、姪に送った。
(それは結婚する時にデパートのフォーマルウェア売り場で10万円で買ったものだ。布地が上等で縫製がしっかりしていて、立体裁断でとても着やすいから、捨てるのは勿体ない。)
そしたら自分のフォーマルの黒の服がなくなってしまったので、買わないといけない。
そう思って姉にLINEで書いた。
そしたら姉から「ママの若い頃の服の中にフォーマルの黒の服があるよ。夏用のがあるからうちに来て着れるかみてみたらいい」と返事が来た。
そうだった、母はどんどん太っていき、「痩せたらあの服、着れる」と言って捨てずにそのまま持っていると言っていた。
昨日実家に行って、母にその話をして箪笥の中を見せてもらった。
すると、子供の頃「派手なおばさん服」と目に映ったものが、なんと艶やかなことか! ほとんどお誂で手製の服だ。
ファッションがぐるりと一周して、今のトレンドの路線と近くなっている! 着てみたら私の身体にぴったりなものが多かった。
遺伝なのか、母の若い頃と今の私のがおんなじ体型なんだ!
みていく中に、姉にぴったりの物もあった。
母が服を作ってもらっているうちに、姉にぴったりのものもあった。
母は言った。
「これは作ってもらっているうちに肥えてきて、出来上がった頃にはもう着れなくなった、残念な服」
見ているうちに気づいたことがある。
「タイミングは神の計らい」ということだ。
母の昔の服を見るのが今で良かった。今の私や姉にはこの服がぴったりだ。
でも10年前や私が結婚する時に見せてもらったなら、きっとその頃の私達には合わなかっただろう。
閉経もして、体格もお肌の色調も変わった今だからこそ、この服達は今の私達に合う。
「断捨離」という言葉に促されて、捨てられていたならば、この服達は生かされなかっただろう。
そうだ、昔は「お下がり」という言葉がよくあった。
伊勢神宮の遷宮で、それまで使われていた神宮の建物は日本各地の神宮や神社にもらい受けて使われるそうな。
それも尊いお下がりだ。
これからはワンシーズンだけ着て捨てるということではなしに、人から人へ伝えていけるように大切に使っていきたいと思う。