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乙女座・魚座軸

サイン乙女座の特性は「分析する・識別する」ことです。ひとつひとつ、きちんと細部を見る。自分の五感で見て聞いて触れて、物質や事象を認識して分類していく。誰か権威ある偉い人がそう言っていたから、図鑑にはこう書かれているから、教科書的にそうだからーーそんなものは乙女座にとっては何ら真実ではありません。自分自身でしっかり体験したものや調査したものだけが「事実」となるに過ぎません。





平坂寛さんという生物学者がおられます。この方は最も毒性の強いオオスズメバチに刺されてみたり、サメに腕を噛まれてみたり、毒魚を食べてみたりされるwすごい人です。彼は太陽と水星が乙女座だそうです。幼い頃は身体が弱く、生物図鑑を読むことが最大の楽しみだった。でも、それだけでは全く物足りないと思うようになった。彼の活動からは大好きな生物たちを見て触って食べて、その生態を丸ごと感じたい、きちんと現実的に分析識別したいという「乙女座的願い」が感じられます。



そんな性質がいい加減なことを嫌う完全さを生み出し、自分の責任をきちんと果たす誠実さを生み出し、最終的には「全体への奉仕」という崇高な乙女座の本質を支えるに至っているのだと思います。実際に、周囲の乙女座の人たちは押し並べて信用できる人柄を備えています。適当なことを言わないし、いい加減なことをしない。多分そうだろうとか、このくらいでいいだろうというフワッとした考え方をせず、事実に基づいているために圧倒的な信頼感を与えるのです。



たとえば占星術師にとっても乙女座的性質は不可欠なものです。占星術は数学的な幾何学体系でできています。とても論理的であり、かつ、十人十色で人それぞれに星の使い方が違うという意味で大変に複雑です。それなのに、あの先生がそう言っていたからこれは万人に当てはまるとか、教科書にそう書いてあるから〇〇座はみんなこうだとか、月は必ずこういう天体だとか、そんな視点を持ってしまうとかなり危険です。



それは原理原則に過ぎず、万人に当てはまるインスタントな法則なんてありません。原理同士が複雑に絡み合い個別性の高いものを生み出していきます。(ということを、私もある時に気づいて猛省しました・・・)相手の人と成りを伺いもせず、星がこうだから〇〇だと決めつけるのは大変に失礼だし、個別性を尊重しない傲慢で不誠実な態度になってしまいますよね・・・占星術以前に相手への尊敬と思いやりに著しく欠けた行為です。



偉そうに言っているw私自身も魚座的性質が強く出ることがあるので魚座乙女座軸のバランスを失わないように、常々気をつけようと思っています。乙女座の物質性、魚座の霊性、どちらに比重が傾いても「愛と誠実さに欠けた傲慢な態度」になります。


調査・分析・傾聴に支えられたこの誠実さこそが乙女座の本質です。現実感覚の鋭い乙女座的性質を極めると「第三の目が開く」とも言われています。(6ハウスを極めると12ハウスに至ることと同義)これはどういうことなのでしょうか。



乙女座・魚座軸は物質とスピリットの軸です。乙女座が示す『分類』の反対語は『一緒』です。バラバラのピースが一つにものになる。混沌とした全体になるということ。反対側の魚座は「混ぜる」サインです。物質を混ぜて混ぜて溶かすと、最終的には目に見えないエネルギーになります。それは波動であり粒子であり、グレートサムシング、スピリットです。



物質や現実を極めるとスピリットになる。それこそが健全なスピリチュアルです。現実の細部に向き合うことなしにスピリチュアル世界に埋没することは、危うい幻影を見ているようなもの。だからこそ、本当のスピリチュアルや霊的感受性、一体感は乙女座の(現実的識別力)に支えられてこそ生まれてくるものだと言えます。また、乙女座の現実的視点、完璧さはスピリット・ソウル(誠実であろうとする愛・純粋性)に支えられています。



魚座は全体がそもそも一つであることを知っているサインです。慈悲深く救済の性質を持っています。経済的・肉体的・精神的にどうにもならない危機的状況に陥っても、この世界に魚座的慈愛が存在している限り、私たちは救われます。魚座というサインが存在していなければ、恐ろしくて心許なくて、、、私はこの物質世界に生まれてくる勇気さえ失うでしょう。



物質とスピリット、現実と霊性。この二つの相反するように見えるものをいかにして統合していくか、それが乙女座・魚座軸の学びです。現実の細部に向き合って誠実に生きることこそが、本当の愛を持ったスピリチュアルな人間を生み出します。そして、本物の慈愛と霊性を持っている人は現実(人生そのもの、自分と他者、一つ一つの出来事、細部)を決して疎かにはしないということです。



この軸にドラゴンヘッド&テイルを持っていれば、自己犠牲ではない奉仕、現実を注意深く丁寧に生きること、精神世界へ逃避しないこと、細部に拘ることと溶かすこと、許すこと、思いやること、自己と他者の健全な境界線を知ること・・・そんな学びの課題を持っているでしょう。とても深くて大切な軸ですね。





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