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こころとからだのピッタリをさがそう!〜母子生活支援施設での性教育実践報告〜
「人生をデザインするため、性を学ぼう」
このキャッチフレーズに心を打たれたのは19歳の春。大学を休学して、半年間東京で過ごす機会を得た時期だった。NPO法人ピルコンで性について学び、フェローとして関東の教育現場で中高生と共に学ぶ場を経験しながら、「絶対に沖縄でこの学びを生かして、性のことを知る、対話する機会をつくりたい」と考えていました。
平和や基地問題、探究学習、PBLなど様々な切り口で学びの場づくりをしつつ、この「性」という幅広いテーマをどのように扱えるのか、自分らしさを生かした “遊んで学べるかたち” を模索しながら、機会があれば実践したい…と思いながら過ごしてきた数年間。
今回やっと、初めて母子生活支援施設で小学生1〜6年生を対象とするワークショップの実施依頼をいただき、作成したオリジナルプログラムを行いました!
こころとからだのピッタリをさがそう!
施設の職員さんにヒヤリングをさせていただき、子どもたちの背景や日々の生活の特徴、気になる点についてを踏まえて作成したプログラム。子どもたちと性について対話する時間を持ちたかったんだよな〜という方がまるっと使えるように、内容を公開します!
参加してくれた子どもたちの感想(抜粋)
★かんそう:みんなのえらんだふくは、ぜんぶみんなにあっていてこせいてきでした。
★わかったこと:みんな人それぞれだなぁーーー
◆今日の感想:今日、先生に学んだことで、「自分のやられたくないこと」をやられそうになったら、はっきりと「やらないで」ということが大切なんだと分かりました。今日はたくさん大切なことを教えてくれてありがとうございました。
♣︎かんそう:今日お話しをしてわかったことは自分が今やりたくないことをどうやって返すかとゆうことです。たとえばハグをしたいとき相手はやりたくない時エアハグやいろんなことを知りこれからの生活に使えそうです。ありがとうございました☺︎
❤︎わかったこと:やられたらイヤなことは、「かわりに」を使えばいいと知った。
❤︎感想:ゆりりんさんがコミュニケーションやプライベートゾーン、「かわりに」の使い方をおしえてくれた。自分は、自分のきもちをちゃんと言えないので、さんこうになった。ありがとうございました!!
●自分のピッタリも見つけられて相手との気持ちのすれちがいを見つけることができて楽しかったし良いけいけんになったなと思いました。
■ハグしたいするかわりになにをするかが、ちょっとむずかった。服も自分だけじゃなく、他の人に見てもらうとわかりやすい。
どんな「性」の学びをつくっていこうか、その答えが見えてきた
今回実施したプログラムは、当初想定していた「性教育」からかなりかけ離れた内容。施設職員の方へのヒアリングを行う前は、身体のしくみや性行動についてをメインで扱うイメージを持っていたのですが、向き合う彼らにとって、今一番すんなり浸透する内容を考えた時、それはメインテーマでないなということが見えてきました。
「友達や職員とのコミュニケーションの取り方を見ていて、距離感が近すぎると感じる子がいる」
「服のサイズが合っていない、わかっていない子も気になる。肌が見えそうになっていたり、下着がはみ出ていたり…他者からの目線まで気にすることができていない子も少なくない」
「生活習慣からの課題をどうにかしないとな…」
そんな声を聞かせていただき、キーワードとして出てきたのが「距離感、触れ合い、プライベートゾーン、他者からの見え方」でした。
子どもたちが楽しみながら、自分のことを客観視することができて生活に活かせる内容。ここだけで終わらない、日常につながるような時間にすることを目標に作成してみると、子どもたちから「ファッションショーだ!!」と言われるプログラムが完成しました(笑)
感想を見ながら、受け取ってくれたことを嬉しく思いつつ、この気づきを生活の中でどうか活かしてもらえたらいいなと考えてしまいます。今回実践した施設は、毎日本当に子どもたちと真摯に向き合っているんだな、よく見ているな、という職員の方々ばかりでした。だからこそ子どもたちには、この場を卒業するまでに、自分や他者を大切にするコミュニケーションについてたくさんの経験値を得て欲しいなと思います。
インターネットやSNSが身近にあり、性についてのリスク(性的虐待や性的搾取、意図しない妊娠や性感染症)にさらされやすい状況となっている時代。課題ベースで教えたいことを考えると尽きないからこそ、目の前に接する子どもたちのリアルな日常に寄り添って、実践前提の楽しく学べる時間をデザインする。
わたしがすべきことは、すごい話をすることでも、危機感を持たせる話をすることでもなく、夢中になって楽しんでいた先に大事なものに気づけるような時間なんだな。改めてそう感じさせられる経験でした。依頼してくれた職員さん、施設の皆さん、そして一緒に学びをつくってくれた子どもたちに感謝です。
個人的におすすめしている性教育コンテンツ
◆子どもから大人まで楽しく学べる動画
◆性についての悩み事・困りごとを調べたい(学生向け)
◆性教育どうすればいいの?のヒントがほしい(保護者向け)
◆最近の性教育についてチラッと知りたい人向けの記事
◆性のことに熱い人たち (順不同)
☺︎染矢明日香さん(NPO法人ピルコン代表)
引用プロフィール:性の健康に関わる講演・情報発信・政策提言を行っています。慶應SPH。思春期保健相談士。著書『マンガでわかるオトコの子の「性」』。性教育メディア【セイシル】アドバイザー
男性からいただくこともあるパートナーが妊娠したかもしれない、という相談。
— 染矢明日香@ピルコン🌈アフターピルアクセス改善署名📝活動中! (@asukasuca) June 20, 2021
こうすれば🆗という正解はないけれど、どんな風に寄り添えるかピルコンフェローとも考えました!👇
Instagramも見てね👀 https://t.co/yifl7Z331K
☺︎コンドームソムリエAi さん(現役保健室の先生)
引用プロフィール:保健室の先生+国内約120種のコンドームを識るコンドームソムリエ®︎ 「コンドーム選びを前戯に!」実物を触って嗅いで引っ張れるアクティブラーニング性教育「コンドーム試触会®︎」開催中!思春期保健相談士。
【このアカウントについて】
— コンドームソムリエAi🌈(現役保健室の先生) (@Ai_con_j) June 21, 2021
コンドームオタクが現役保健室の先生をしながら発信しています。一生のうちにAEDよりも使うはずなのに、学校では正しく使えるようになるまで教えられないもどかしさから「推しコン探し」を通して楽しく学べる発信を心がけています。
詳細はこちらhttps://t.co/qTz66mNv9z pic.twitter.com/uXKZvIm8tw
☺︎シオリーヌ さん(性教育YouTuber)
引用プロフィール:助産師 / 性教育YouTuber / シオリーヌと学ぶオンラインサロン / 著書『CHOICE 自分で選びとるための「性」の知識』『こどもジェンダー』
#まだまだいるのですが一旦このへんで
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