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6月14日、「チケット不正転売禁止法」施行。嬉しいけど「そうじゃないんだよ」と思っていること

6月14日に、チケットの高額転売に対する法規制が始まります。

待ちに待った、いわゆる「ネット上のダフ屋」への取り締まりがようやくかかることになります。

なおこの法律の内容解釈については、以下の2コラムを参考にさせていただきました。
すごく分かりやすくかみ砕いてくださっていて、私のような素人も理解することができました。

"「ついに成立した、チケット高額転売規制法を概観する」─弁護士 福井健策さん(骨董通り法律事務所 for the Arts)
https://www.kottolaw.com/column/181211.html

ついにチケット転売規制法が成立へ 気になる今後の運用と残された課題─前田恒彦さん 元特捜部主任検事
https://news.yahoo.co.jp/byline/maedatsunehiko/20181204-00106441/"

コラムを拝読してみると、全ての高額転売行為が規制対象になる…わけではない、ようです。
それは、条文の以下の文章で読み取ることができます。

特定興行入場券の不正転売(※1)

興行主の事前の同意を得ない特定興行入場券の業として行う有償譲渡 であって、興行主等の当該特定興行入場券の販売価格を超える価格をそ の販売価格とするもの


業として行う有償譲渡


「業として」とは、”事業として行なっている”といった解釈がされているようですが、業者であろうが個人であろうが「反復継続の意思がある」ことがキモになるようです。


都度アカウントを変える、メールアドレスを変える、そういった場合に同じ人物とどう判断できるのか。
個人名義に対して、どこまで「反復継続の意思がある」と選定できるのか。
もしくは、完全にオフラインのネットワーク化してやり取りされてしまえば証拠も残らない。


あと、無料チケットはそもそも定価がなく「販売され」ていないものなので、対象外となります。
「特定興行入場券」とは、”興行入場券であって、不特定又は多数の者に販売され”という記載より。(※2)
つまり、無料イベントの当選ハガキや入場券については、規制することはできません。

(※1)
特定興行入場券の不正転売の禁止等による興行入場券の適正な流通の確保に関する法律(概要)ー文化庁
http://www.bunka.go.jp/seisaku/bunka_gyosei/ticket_resale_ban/pdf/r1412623_01.pdf


(※2)
「特定興行入場券の不正転売の禁止等による興行入場券の適正な流通の確保に関する法律の公布についてー文化庁
http://www.bunka.go.jp/seisaku/bunka_gyosei/ticket_resale_ban/1412624.html

道が開いたということにおいて、この法律の施行はとても大きなもの。
6月14日以降の変化に注目したいと思います。


ただ、ライブや舞台が大好きな当事者、ファンのひとりとして、どうしても「そうじゃないんだよ」と言いたいことがあります。


本人確認は根本的な解決策ではない


ということです。

きっかけ


昨年、とあるライブで初めて「本人確認」を体験しました。

そのチケットは、「電子チケット×入場時の本人確認を実施」という仕様でした。
複数枚の購入は可能、アプリ内で同行者に分配することができます。

ただし、申し込んだ本人の分のチケットは”分配も譲渡もできない”という制約がありました。
当選できるかわからないから、当選確率を最大化したいのは自然なこと。

今までは、お互いに申し込みをして、どちらかが当選したらそのチケットで参加する。
二人とも当選したら、外れてしまったひとに定価で譲る。
それがスタンダードだったように思います。


それが、その電子チケットでは、「一緒に行こうね」と話していた同士がお互いに当選してしまった場合、その時点で一緒に観られないことが確定します。
おまけに、もし急な予定が入っても、自分の分は誰かに譲ることもできない。


そもそもチケットの申し込みには、

・行けるか(当選できるか)わからない

という不安は付きまといます。需要が供給を上回れば仕方のないこと。

そこに、以下のストレスが追加されたわけです。

・当選できても、取れ方によっては一緒に観たい人と観られない
・一緒に観たいから申し込みをどちらかひとりに絞ったとして、落選したら二人とも観られない
・どうしても行けなくなった時も、自分が申し込んだ自分の分のチケットを譲ることはできない


「ねえ、どうする?」と友人とLINEが続き、申し込みには今までにないストレスを感じました。

またライブ当日には、本人確認書類を忘れてしまったひとが入場を拒否され、泣き崩れる場面もあったと聞きました。


”本人確認作業”は、完璧でした

電子チケットは問題なく稼働していたし、ひとりひとりスタッフが目視で確認を行う本人確認の作業も、しっかりしていました。
書類を忘れてしまったひとも、忘れたこと自体は過失だし、システムからしたら「仕方ない」ことかもしれない。


でも、なんで、こんなに不自由なんだろう?
楽しみにしていたライブで、どうしてそのひとは泣き崩れなきゃいけなかったんだろう。

ライブでも、舞台でも、イベントでもなんでも、エンターテインメント─”娯楽”じゃないか。
楽しむためのもの。
非日常のような世界を体験させてくれるもの。

当日まで絶対体調崩せないと思って健康に気をつかうし、ケガにも気を付けるし、残業できないから仕事も頑張れたり。
ライブの翌日は、何なんだろうと思うくらいに髪と肌がツヤッツヤになったり。


「感動する」、「全身で楽しむ」。
そういった時間を過ごすのは、生活全体が潤う気がする。


本当に、ただ、その日が待ち遠しい。

エンターテインメントは、そういうものであり続けてほしいと思う。
でも、残念ながらいまはそうではない側面があると思うのです。


私の友人にも舞台やライブを見に行く子たちがたくさんいますが、
当落発表の日の「ご用意されなかった…」の悲しいツイートが溢れ、
高額転売が発覚すると、公式Twitterアカウントに「本人確認を厳格に実施してください!」と訴えるひとがいたり。


出演者のFC限定で販売されたチケットが高額転売されて、出演者側にダメージが及ぶ状況にもなっていて。


なんというか、ギスギスしてる。

なんで、こんなに不自由なんだろう?
悲しいことになっているんだろう。


購入したひとと実際に使用(入場)するひとはイコールでなくても良いはず。
そうでなければ、金券ショップは存在しないことになる。


「高額転売されていないチケットという証明」さえできれば、誰が入場しても問題はないはずです。

チケットは正当に受け渡される限り、自由であっていいと思うのです。

みんなで楽しむ、楽しいものに戻したい。

毎日、ずーっと考えている。

チケットにまつわる「悲しい」はいろいろある。

小さいことなら、

・先行申し込み忘れた

・当選したのに払うの忘れた

・チケットを家に忘れた

とか。

いまエンタメチケット界隈で起こっている悲しいことをひとつでもなくして、

”ただ、「その日」が待ち遠しい”
と思えるひとをひとりでも(自分を含めて)増やすこと。


ファンは、最大の当事者。
一番困っていることを知っているし、感じているし、想いがあるとおもうから。

一緒に考えてくれるひと、
一緒に作ってくれるひと、
フィードバックをくれるひと、
これからを楽しみにしてくれるひと。


思いに共感してくれるひとと出会いたい、と思ってnoteを書くことにしました。


私は、UXやサービスデザインを学びながら、UXデザイナー、Webディレクターとして事業会社で働いています。

デザインとプロトタイピングは出来るけれど、コードは書けません。アプリは作れません。

 

「この指とまって!」をやりたいけど、

まずは、想いを書いてみました。

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YURIE OSHIMA
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