自炊を始めてよかったこと

おとといのnoteに引き続き、自炊の話をば。

『週3レシピ』を見ながら自炊を始めてからというもの、気づいたことや変化がいくつかある。

当たり前に自炊をしてる人からしたら至極当然のことばかりかもしれないけど、私にとっては初めてのことなのでどうか多めに見てもらえると嬉しいです。

その１　調味料が減った

料理に目覚めると調味料は増えるものだと思ってた。現に、学生時代の私は手当たり次第におしゃれっぽい調味料やスパイスを買ってみては無駄に増やしていた。そしてそのほとんどが、１、２回使っただけで賞味期限を迎えてしまった。

だけど今は、基本の「さしすせそ」とさえあればほぼカバーできる。コンソメでさえあんまり使わなくなった。塩がこんなにも偉大だなんて知らなかった。毎日のように塩を褒めている。きみはすごいやつだ。

その２　書かれてることを無視しない限り、失敗はしない

なぜか、料理に苦手意識を持っていたころのほうが分量や手順にルーズだった。「どうせ火を通すんだから一緒でしょ」「だいたいこんくらいでしょ」と、めんどくさく感じたステップを勝手に省略して、勝手に失敗していた。書かれているとおりにやってみれば、大失敗はしない。「料理をするときは、作る前にまずレシピを最後まで読むのよ」と母の教えの理由を、今さらになって理解した。

自分は料理が「ヘタ」なんだと思ってたけど、じつは性格の問題だったようだ（そのほうが深刻なのかもしれないけど気にしない）。

その３　毎日３回食事があることに感謝したくなる

疲れてたり忙しいと、つい食事を疎かにしがちだった。お金の使い道に関しても、まっさきに削るのはいつも食費だった。日常でも、旅先でも。

だけど今、１日に３回、食事をすることが私にとってエンタメになりつつある。もし仮にこの世界が「１日１食」を常識として成り立っていたら、自粛生活はもっともっと寂しく辛いものになっていただろう。

その４　味覚がちょっと変わった

先日、ひさびさに気分転換をと思い、以前よく行っていたチェーンのお惣菜屋さんでテイクアウトの唐揚げをかった。以前と変わらぬカリカリの衣に、安定の醤油味。なのに、ちょっと味付けが濃いように感じて驚いた。あと、つなぎの部分に違和感がある。鶏肉でも衣でもない、油のような部分。今までは気にしたことなんてなかったのに。

隣を向いたら、同居人も不思議そうな顔をして食べていた。

１ヶ月も経ってないのに味の感じ方が変化するのは、予想外の驚きでした。

その５　同居人がニンジンを食べるようになった

ニンジン嫌いの同居人が、ぱくぱくニンジンを食べるようになった。炒めたニンジンとふわふわの卵を炒めた一皿を、いたく気に入ったらしい。「ニンジンは変なニオイがするから嫌いだと思ってたけど、甘じょっぱの味ならいける」とおかわりしている。ご飯に関しては正直な人なので、お世辞ではなさそうだ。

世の親たちが「苦労のすえ子どもにニンジンを食べさせることに成功したエピソード」を嬉々として語る理由が、わかった気がする。

その６　レストランに対して芽生える尊敬の念

唐揚げの話と似てるけど、先日、テイクアウトして近所のカレーを食べた。

以前から「美味しいお店だな」と思っていたけど、久々に食べたら、あまりの美味しさに目を剥いて仰天しそうになった。何重にも香るスパイス。胃を刺激するほどよい辛さ。噛むほどに甘くほろほろと崩れるお肉。あ〜〜〜〜プロの仕事！！！

思えば文章だって写真だってそうだった。自分がやってみることで初めて、いかにプロの技術がすばらしいかを知れる。最近よく耳にする「解像度が上がる」って、こういうことだろうか。

その７　もしかしたら趣味ができたかもしれない

旅も写真も文章も、自分で始めたことだけど、あまりに魂が削れるというか、楽しいだけじゃ収まらなくて、疲れてしまうことも多い。「癒しのひととき」というよりは、「やってないと死ぬ」に近いものたちだ。楽しいから泳ぐんじゃなくて、泳がないと死ぬ魚のよう。

でも今のところ自炊は、「楽しい」の範囲内だ。めちゃくちゃ遅いスタートを切ったのも、負けず嫌いの私にとってはかえって良かったのかもしれない。何周も、何十周も遅れてるおかげで、順位なんて気にせずにすむ。好きな景色を楽しみながら走ればいいやという気持ち。

その８　コーヒー・紅茶も美味しく淹れるようになった

以前の私は、キッチンへの愛が薄かった。キッチンに立つことに、無意識のうちに抵抗を感じていたらしい。お気に入りの本棚や飾り棚にくらべて、キッチンは雑然としていた。なんとなく、「自分の陣地じゃない」という意識があった。

でも今は、キッチンに立つのになんの‪苦も感じない。それゆえ、コーヒーも豆から挽くし、鍋を使って煮出しミルクティーを作るようにもなった。いい気分転換になるし、なにより美味しい。

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思いつくままに書いてたら、想定の２倍以上の文字数になっていた。これからも、ゆるく気ままに自炊ワールドを探検していこうと思います。